Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

よりどりみどりの女神ボイス:Celtic Woman

ケルティックウーマンといえば、たぶん一番話題になったのは、荒川静香さんがフィギュアのエキシビションかなにかで使ったときかな。
曲はYou Raise Me Up、私もたぶんこのときに彼女らを知った。
2000年代に中心に聴いていたので最近のメンバーやラインナップにはちょっと疎くなってきたと思う。
でも今もよく聴くし、疲れているときは涙が出るほど癒される。


Celtic Woman - You Raise Me Up


ケルティックウーマンを簡単に説明すると、アイルランド出身者中心のアイリッシュ音楽・ケルト音楽を歌う女性たちのグループ。
メンバーは個々人の公私の都合により流動的に変わる。
ヴァイオリンの一種?仲間?のフィドルを演奏するフィドラーも必ずいる。
ちなみにアイリッシュがなんたるか、ケルトがなんたるかはよく知らない。
そんな曲調の音楽、という程度しか。

メンバーが変わっても魅力的だなと思う曲もあれば、この曲はこの人が歌ってこそ!と思う曲もある。
たとえば前者だとエンヤが歌ったことでも有名なOrinoco Flow,Spanish Lady,ニルシンラ(Níl Sé'n Lá)とか、個々の声よりも集合の声の音階とパーカッションが活かされるような曲がそうかなと思う。

逆に歌声固定で聴きたいものもけっこうあって、2010年代まで長く在籍してたリサ(Lisa Kelly)とクロエ(Chloë Agnew)は特にそういうものが多い。
単純にCD音源がその人というのもあるけど、やはりそれぞれの声の良さが突出しているのだとも思う。

まずリサ、彼女の声は何を歌っても輝かしい感じで、「ハッピー」というには違和感だけど「幸福」というのが相応しい凛とした声だ。
悲しい歌や怒りの歌を聴いたことがないせいかもしれないけど、そんな気がする。
Danny Boyなんかは悲しいといえば悲しいかもしれないけど、慈愛というほうがしっくりくる。
そんな彼女の声がとても良いのはYou Raise Me Up,The Voice,Send Me a Songなど。


Lisa Kelly The Voice


そしてクロエ。
彼女の声はボーイソプラノを凌ぐレベルでピュアで、天使の女の子が歌ってるのではないかと思うほどやわらかで可愛らしい、夢みたいな声だ。
ケルティックウーマンを離れてからはそういう歌い方をする動画を見かけない(というか動画の母数が少ない)けど、ベースにはやっぱりそういう声があると思う。
最近のほうが逆に少し天使から人間に寄って、リアリティのある声かなとも。
Ave Maria, Someday, Over the Rainbowなど、やっぱりこの人の声がいいと思うもの多数。
夢見心地のような浮世離れした声なので、ディズニーとも相性がいいような。


Celtic Woman - When You Believe


あと在籍期間は短かったけど、ヘイリー(Hayley Westenra)。
彼女は日本だとたぶんドラマのエンディングかなにかでAmazing Grace歌ったのが有名かも。
リサケリーも神々しい声だけど、ヘイリーも分類的にはその類だと思う。
リサよりも神秘寄りで、強いて言うなら女神が諭すような声に聴こえる。
Scarborough Fairくらいしか彼女メインでガッツリ聴いた曲はないんだけど、これはやはり彼女の霧がかって神秘的な様子の声が適任かと。
やわらかく包むようにハモるので、メインでないときはいい意味で存在感がなくなる。


最近のメンバーだとイーハ(Éabha McMahon)がとても印象的な声。
ハスキーといえばハスキーなんだけど、なんといったらいいのか、すごくなめらかで何人分もの声を出してるんじゃないかという音の層があるように聴こえる。
前メンバーだとオーラ(Órla Fallon)が系統としては近いかと。
リフというか音のアレンジにしゃくり?揺らし?が多いのでケルト色が強く聴こえるようにも思う。
声の特性から低音ハモリが多いけど、彼女がいると聖母がベース支えてくれてるような、そんなイメージのハーモニー。
セリーヌディオンのMy Heart Will Go Onのカバーでは一番最初に歌っている人です。


Celtic Woman - My Heart Will Go On (1 Mic 1 Take)


他にも何人もいるんだけど…ピックアップして書けるほど声を聴きこんでいないのですみませんが割愛。
美女だらけのCeltic Womanの中でも、個人的に好きなのはアレックス(Alex Sharpe)、リン(Lynn Hilary)のふたりかな。
二人とも一見クールビューティー系だけど、アレックスは笑うと口元の開きが女優の賀来千賀子さんに似てる気がしてならないし、八重歯気味で可愛い。
リンは伏し目流し目な感じでしっとりセクシーな美しさ。
あとは美人にも可愛い系にも見えるのはタラ(Tara McNeill)。
フィドルはずっとマレード(Máiréad Nesbitt)が躍動感あるパフォーマンスをしていたけど、タラはベーシックなパフォーマンスな感じ。

そんなこんな思うままに好きなところを書いていったCeltic Woman、来月6年ぶりの来日!
もちろん発売日にチケットをとって(平日だから有休もとって)、最新の彼女らを堪能しにいく予定。
個々の声に特徴があってそれぞれ個性があると思うのはやっぱり2000年代なんだけど、グループとしてのハモりやバック音楽との調和・ダンスは見ごたえがあるのではないかなと予想。
オーディエンスが楽しむのはもちろん、本人たちも久々の(もしかしたら初めての)日本を満喫してもらえますように。

昔は情報量の多い声、今はどこか目指すところが明確な声:Salyu

ここのところライブに行く回数が減っているのだけど、それでも平均かそれ以上にライブには行っていると思う。
好きな歌手やバンドはいくつかいる中で、しばらく離れていても戻ってきて聴きたくなって、聴いたら聞いたで「やっぱりすごい」と思う声の持ち主。
そのうちの一人はSalyuだ。


Salyu「name」

特に高校~大学の頃よく聴いた彼女の歌。
たぶんTVでnameを聴いてとてもツボにはまったんだったと思う。
そのうちBank BandのTo Uもすごく流行って、バンド版もSalyu版もよく聴いた。
彼女があまりキラキラ全開の太陽のような見た目やキャラでなく、ちょっと影のある謎めいた印象だったこともイメージ通りだった。

nameは、AメロBメロのぼんやりした少女みたいな声とサビの切実で爆発するような叫び声と、振れ幅が大きい。
彼女の声でおもしろいなと思うのは、爆発するような叫び声になるとき、うるさくなるんじゃなくて、輪郭が強くなって線が太くなる感じがするところ。
サビで爆発する感じの曲はいくつもあって、name同様「たまらんなぁ」と思うのは、Dramatic Ironyとか、LIBERTYとか、わりと最近だとRAINもそう。

nameは2006年の曲、RAINは2015年の曲。
どちらもサビの強さは似たところがあるけど、nameのサビ手前では、声にいろんな情報が含まれて少し濁ったような声が特徴的だと思う。
nameの入ってるアルバムの1つ前のlandmarkのうち、特にlandmarkとアイアムは声が混沌としてこわくて当時はいつも避けていた。
曲調がダークで圧倒的というのもあるし、Salyuのぼんやりした声が墨みたいに脳みそや気持ちを黒く覆う感じがした。
今ではそれもコミで聴けるようになったけど、当時は本当にいつもその2曲が流れるとiPodを飛ばしていた。


Salyu - THE RAIN (from ALBUM「Android & Human Being」)

それでも彼女の歌を聴いていたのはやっぱり声が素晴らしいからで、こわいこわいという思いをチャラにするように癒しの曲もあった。
体温、Tower、アイニユケル、最近だと青空なんかもそういう類。
あとはソロじゃないけどfeat. WISEでやっていたMirrorとか。

基本的につんざくような声を聴いたことがないし、すごく音が外れて困惑したこともない。
しばらく前に行った東京フィルとのコンサートは、音響の問題か中音域が聴こえてこなくて少し不完全燃焼だったけど、基本的に安定感がある。
よくライブに行っていた頃は特に、行った甲斐があったと心底思わせてくれるような神秘的な声を聴かせてくれた。

最近はあまり行っていないからわからないけど、彼女の声の源は変わっていないかなという感じがする。
サビでよくみられる強くてやわらかい声はよりその様子が強くなったと思うし、前よりも目指すイメージが強くなってハッキリした声になったように聴こえる(私には)。
変わったとしたら、落ち着いた声で歌うといろんなものが含まれて濁って聴こえた声が影をひそめたところ。
変わったわけじゃなくて、声を覆っていた外側の何かがそぎ落とされたような感じ。

濁った声がこわかったのは確かなんだけど、それがなくなったのもなんだかちょっとさみしい気もしていて。
その難しい声もSalyuの味のひとつだったと思うのだ。
あれからいくつも曲を出したしSalyu×Salyuとかもやったし、今はその濁りを超えて別の次元にいる感じ。

全体的に、以前より軽く外交的な声と感じていて。
外側に、普遍に近づきすぎると、せっかくの神秘的な声の伸びがただの高音になってしまうんじゃないかという余計な心配がよぎっている。
こんな心配は要らないだろうと思うけど、これからも彼女の強くてやわらかな声は残っていてほしいなぁ。
また久しぶりにライブに行こうかしら。

日本語でミュージカルを観ていると昼ドラに見えてくる話

ミュージカルはここ数年で興味を持つようになって、まだ全然作品数は観てない。
今まで観たことがあるのはこんな感じ。
見た作品・時系列順のつもりだけどざっくり、かつ抜けてるのもあるかも。

☆big ~夢はかなう~:1999年頃東京1回
★Wicked(ウィキッド):2013年ロンドン2回、2013~2014年東京4回、2014年シドニー1回、2016年ロンドン1回
★les miserables(レ・ミゼラブル):2013年ロンドン1回、2017年東京1回
★マンマミーア:2014年東京1回
★リトルマーメイド:2015年東京1回、2017年東京1回
☆PIPPIN:2015年東京来日公演1回
The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人):2016年ロンドン1回
ノートルダムの鐘:2017年東京4回
☆パレード:2017年東京1回
West Side Story:2017年東京来日公演1回

bigの頃は完全に子どもだったので「なんか舞台装置こわい」みたいなことを思った記憶しかないけど。
これらのうち、☆は一言語しか知らないもの、★は日本語と英語どちらも知ってるもの。
日英知ってるのは同作品を国内外で観たのもあれば、ディズニーなんかはアニメで英語版知ってたり。
その★のものたちについて、当たり前だけど日本語だと全然重さや軽さが違うなと思うわけです。

Wickedはよく考えたら男女三角関係とか浮気でできた子とか、なかなか清々しくない要素もある。
※原作はもっとアレらしい。
でもロンドンで観たときは、ただただ音楽が好きで観ていてそんなの気にならなかった。

それが日本で観てみたら、なんだか三角関係はより昼ドラ的に、そして出生の悲惨さが増し増しに、「おしん」とか大河みたいに感じた。
母国語だからそう思えるというのもあるし、やっぱり日本語になると音数が減って英語のスムースさとは違うっていうのもあるかと。
いやー、とにかく日本で初めてWicked観たときはほんとに別物に見えて驚いた。
英語で観るより重たく感じるので日本語の方が観ると疲れるような気がする。

あとレミゼとかオペラ座はWickedより歴史が長い作品なせいか、単純に歌詞やセリフが古風だなというのも感じる。
カタイ感じでなんともいえないもやもや、ちょっと歌舞伎や演歌を聴いてるような感覚になる。
まあオペラ座は曲調がべたっとした感じがするのも一因かも。
ALW作品はコンサートとかで聴くときれいだなと思うけど、作品の中で聴くと個人的にはすごい「演歌感」があって、オペラ座もそうだしチラ聴きしたことあるジーザスもそう感じる不思議。

あとこれはALWではないけど、マンマミーアのThe Winner Takes It All(「勝者が全てを」)はある意味衝撃的だった。
細かく覚えてないけど「あなたは勝ち」っていうとにかく直訳的な表現だなぁというところばかりが気になって。
かといって1回しか観てないからこう訳してほしい!ってのもないんだけど。
しかもそのときのドナ女優さんがまた直線的に投げつけるように歌うので、直訳×直球で飛んできた。
乱暴な豪速球に思えて全力で避けてしまった…。

一方で、それらより新しいせいかディズニー系はそういう違和感はさほど多くない。
まあ全体的に、韻の良さは原語に勝るものはないけど。
それは置いておいたとして、日本語のほうが好きだなって箇所もそれなりにある。

(引き出し少なくて申し訳ないけど)ノートルダムのフィナーレのフィーバスのソロ直前「人々に戦うよう、呼びかけた!」とか。
最後三連符が民衆の鼓舞に拍車をかける感じがする。
ここ英語はなんて言ってるかな…。
逆に近いところで英語のほうが好きな部分は、フィーバスの「Someday comes right now!」とか。
日本語だと「正義のために!」の「に」でぶつ切りになるところが、「Now」なら二音だからぶつ切り感が緩和される。

あとは、英語だといいのは移民の訛りが表現できるところ。
こないだ観たWest Side Storyプエルトリコ勢が巻き舌強い英語を話していて、「よくわからないけど標準語じゃないしなんとなくラテン出身なんだろうな」と汲み取れた。
日本でこれを方言とかで代用すると都会と田舎の対比になっちゃいそうだけどどうしてるのだろう。
地域差ではなく国籍の差異を示唆するのも、日本語版は難しいんじゃないかな。

いろいろ書いてるけど、日本語ミュージカル否定したいというわけでは全然ない。
ただ、私の耳にはかなり違うものに聴こえるのですというだけの話でした。

忘れ去るにはもったいない:Three Phantoms 3/18@The Parisian Theatre(Macau)

タイトルどおり。
しばらく前の感想をふいに思い出して、でもそのときのことをほとんどメモに残していなくて、「素敵な声だな」とか「この曲印象的だったな」とかいろいろ感じたことをなくしてしまうのはもったいないなと思って今書く。


MamiTv帶您欣賞-【3幻影】音樂劇

ブログ書き始めるよりも前の、今年3月の連休、マカオに行っていた。
出だしはヨーロッパっぽいところに行きたいという欲を満たしてくれる近場を探してて、マカオポルトガル領だったからポルトガル建築が見れてヨーロッパ気分に浸れるかなと思って選んだのだった。
ポルトガル領とはいえ一応中国だし、残念ながらほんのり知る限りの中国の音楽や舞踊には興味がなかったので、今回の旅では音楽を楽しむ機会はないだろうと思っていた。

しかしそこは音楽好きのめぐりあわせなのか、ちょうど私の滞在中にThree Phantomsというコンサートをやっていた。
ブロードウェイやウエストエンドのオペラ座の怪人で歴代ファントムを演じてきた俳優たちが出演するコンサートで、3人をメインにこれまたBWやWEで活躍する俳優たちとともにミュージカルの名曲を披露していくもの。
いつまで残ってるかわかんないけど、セトリとか出演者がまだ載ってるみたい。
https://jp.parisianmacao.com/macau-entertainment/three-phantoms.html

残したいとこをかいつまんで。
今もそんなにいろんな作品知らないけど、当時はさらに知ってる曲が少なかったなぁ。
ちょっとコメディに振りすぎだなとか、この曲はこの人じゃないほうがよかったなとか、多少あるけど、みんな6~7割くらいの力加減でパフォーマンスしてるようにも見えたのでそれはそれですごいと思う。

■Tragedy(from Saturday Night Fever)
メインはKieran Brown、サビなんかは特にリズムの歯切れが良くてキャッチ―に聴こえた。
オケのアレンジが懐かしい雰囲気だったけど、サタデーナイト~だからもともとこうなんだろうな。
キエランは3人のファントム(以下3ファントム)の中で一番好きな声だった。
私の少ない引出しでいうと、Matthew James Thomas系の高くてやわらかい声。
もちろんやわらかいだけじゃなくてコントロールがなめらかな感じ。
個人的にはファントムよりもう少し優男系のキャラクターもハマるんじゃないかなと。


■Bui Doi (from Miss Saigon)
David Shannonは細かいことは覚えてなくて、とにかく3人の中だと一番「…」となる歌だったと思う。
なんだか一人だけ声が針金みたいに硬い感じで、他2人のハーモニーはけっこう豊かに響く気がするのに、彼はなぜかそうはならなかった。
音程がおかしいとか声が出てないとかではなかったんだけど、とにかく最初から最後までピンと張った声だったので聴いている私が勝手に疲れてしまった。

■Anthem (from Chess)
3ファントムの発起人?リーダー的存在と思われるEarl Carpenter。
艶としなりのある大人の男って感じの声で、好みの声とは少し違うけど、聴きごたえがあってうっとりするような美声。
3人の中では一番ファントムっぽい声、見た目もジェントルマンだったし総合バランスは一番良さそう。
今年10月にシアターオーブでやる「ソングアンドダンスオブブロードウェイ」にも来日するらしい。←ウィレマイン出演発表時にチケット購入済なので再会できるなぁ

■Defying Gravity (from Wicked)
Marisa McIntyrがエルファバ、Lisa-Anne Woodがグリンダ。
マリサは出だしがすごく良くて、これは大迫力のエルファバが聴けるのでは…!?
と期待を膨らませたものの、肝心のso if you care to find me!からはなんだか声がカスっとして拍子抜け。
手前まではなかなかの緩急のつけ方だったので、得意な音域を通り過ぎてしまったのだろうか。
リサは可愛くて上品な声なので、グリンダのファニーで親しみある声ではなかったかな。
やっぱりオペラ座のクリスとか、レミゼのコゼットとか、世間知らずで上流階級なキャラクターが似合う。

■Memory (from Cats)
Olivia Breretonのソプラノが美しいこと美しいこと。
キャッツは観たことないしこの曲もメロディーくらいしか知らないんだけど、きれいな曲だなと。
ただ音をなぞるだけでもグッとこないし、行き過ぎて悲壮な歌にしてしまうのも違う気がする。
だれにも相手にされなくなったものさみしさからのつぶやきみたいな、地続きでナチュラルな音の吐露に聴こえた。
ファントムがメインなのに、この日一番印象的だったのはオリヴィアのこの曲だった。

■This Is The Moment (from Jekyll & Hyde)
3ファントムにAlistair Barronを加えて。
今はそこまでではないんだけど、このコンサートに行った頃はこの曲を聴くと「演歌みたい」って思ってたなぁ。
いい曲なのに笑いを挟み込みながら歌うので、視界的には楽しかったけど音に集中できなかった部分があった。
デビッドが硬い声でいまいちと思っていた私にとっては、アリスターのほうが変な力を感じず聴きやすい声に思えた。
アリスターについて帰ってきてから調べたら、Gina BeckやSamantha Barksと一緒にウエストエンド俳優たちのコンサートに出てる動画を以前Youtubeでチェック済だった。
すぐ忘れてしまうものだな。。

■The Music of the Night (from The Phantom of the Opera)
■For Good (from Wicked)
やっぱりちょっとデビッドの声が気になりはすれど、3人のハーモニーが合わさったしっとりした仕上がりだった。
やっぱり音程のせいではないらしい。不思議だ。
For Goodもちょっとおちょくりながら歌ってたので、Wickedの大ファンとしては「ふつうに歌って~」と思ってしまったところ。

The Phantom of the Opera (from The Phantom of the Opera)
セトリに書いてないけど絶対やってた。
たぶん2ファントムか3ファントムと、オリビアとリサとで。
ここまで散々いろいろ書いておきながら、実はオペラ座のファントムのことは理解できない派なので、曲に美しさは感じても好き好んで聴くわけではない。
それでこのときもファントムよりもクリスにあたるオリビアとリサの声をよく聴いていた。

リサは昨年のイギリス旅行のときにウエストエンドのオペラ座でクリスをやっているのを観ていて、
「アンダーだけどすごく声きれいだし高音も楽々だな。高音楽々すぎて若干ピッチ高いかも。」と思っていた。
それをマカオで検証できたわけだけど、やっぱりちょっとピッチ高めで、なんならロンドンのときより高めだった。
声がいいだけに、デフォルトで音程が外れ気味というのは少しショック。
どうにか音程のチューニングうまくいってほしいなぁ。
リビアは安心の音程で問題なく高音出してたと思う。


書いてみるとなんのことはないんだけど、残しておくともしまた来日とかで見かけたときに見つけやすいかもしれないし。
自分の頭の整理のためにも書いておけてよかったかな。
3ファントムのリンクがいつまで有効なのかわからないので、セトリはともかく出演者はテキストでも残しておきます。

【Performer】
Alistair Barron, Olivia Brereton, Kieran Brown, Earl Carpenter, Rachel Chapman, Marisa McIntyre, Paige Starbuck, David Shannon, Lisa Anne Wood

脇役がうまいとその人のほうがすごい気がしてくる:La Traviata(椿姫)7/11@Palau de la Música Catalana

この夏、スペインのバルセロナに旅行した。
前々から「日本でもたまにしかオペラ観ないけど、いつか海外でオペラが観たい!」と思ってて、それが今回やっと実現した。
鑑賞したのは、椿姫。
感想はというと、一言でいえば「思ったほどでは…」という感じ。

La Traviata

もちろん今回の旅の目的は建築を観ることで、オペラはちょうどやってたからついでに観れた、というところ。
会場のカタルーニャ音楽堂は、ガウディの師でありライバルであったモンタネールによる建築で、天井のステンドグラスは必見。
見ることができてよかったし、たくさん写真を撮った。

ただ、音楽を聴く場所としてはどうなのだろうという感じで、微塵もステージが見えない席が結構あったり、装飾のペガサスなどが視界を防ぐ席もあり。
会場が会場だからオペラ用のセットは組めず、ステージ形式での上演だったということもあったし、客席のマナーもそんなに良くない。
もともとかなり空席があって開演しても座られていない席が大半だったので、みんなこぞって前のほうに移動したり、飽きてしまった子もいたよう。
その子が客席内をしばらく散策していたりもして、なかなか集中できなかった。

椿姫はこのとき初見、歌われるのはイタリア語でもちろん字幕なし。
ネットであらすじを予習していったので「今この場面かな」くらいの理解で観ていたけど、それでだいたい終わりまでいけたので話としてはわかりやすい作品なのかなと思う。
前に見た「さまよえるオランダ人」なんか抽象的な話だったりするから字幕あってもついていくのが大変だったことを考えると、あまりオペラを観ない人でもこの作品はおすすめできるかな。
あらすじについてはググってください。

客席の埋まらなさ具合からもわかるように人気の実力派歌手が出ているわけでもなさそうだったし、先述したステージ形式での上演であることもあって、私としては感動に乏しい。
一応印象に残ったキャストのことを備忘程度に残したいと思います。

【Violetta Valery】Sarah Zhai Strauss/Marga Cloquell
主人公の高級娼婦、ヴィオレッタ。
動画と同じ女性に見えたのでおそらくSarahの出演回だったのではないかと思う。
お顔立ちが西洋系ではないなとは思っていたけど、中国系の方なのね。
タイトルロール、破たんの無いパフォーマンスで安定感があった。
ソプラノだから高音域も楽々なんだけど、ハイAからBに上がるときの声がとても気に入った。
たぶん音のグラデーションが細かくなめらかなのと、そのグラデーションの音を丁寧になぞっているからかな。
所作がちょっと現代的で、わかりやすいといえばわかりやすいし、もう少しオペラっぽい優雅さが欲しい気もした。


【Alfredo Germont】Sergi Giménez/Carlos Cremades/José Concepción
貴族の青年、アルフレード
そんなにお顔に特徴がなかったのでだれの出演回かは不明。
今回の出演者のうちダントツのがっかりパーソン。不満。
音域は高いところも多少低いところも問題ないんだけど、声量がないのかとにかく声が負けがち。
彼はヴィオレッタに激怒して出て行ったりしなければならないのに、そういうところが全然伝わってこなかった。
出だしのただのやさしい青年のところだけなら違和感は少なかったかもしれない、そうもいかないけど。

【Goirgio Germont】Alberto Cazes/Jorge Tello
アルフレードの父、ジョルジョ。
この役の方がとても素敵なバリトンで、ヴィオレッタの次に印象的だった。
やさしい父としてのバリトン、厳格な父としてヴィオレッタを追い出そうとするバリトンアルフレードの物言いに苦言を呈す低音。
どれも存在感がありつつ、ただ音量が大きいだけでなく、声の硬さや響きで声音が違って聞こえたように思う。
いい声で歌も良かったのでもっと歌う場面がほしかったくらい。

【Flora Bervoix】Numil Guerra/Mar Esteve
ヴィオレッタの友人、フローラ。
大衆的で大雑把な女性に見えたけど、そういう設定なんだろうか?
歌はそつなくこなしている感じ。

【 Annina (cameriera)】Cecília Ferraioli/Ayelén Seras
ヴィオレッタの召使い、アンニーナ。
この役の方も、ジョルジョ役同様に主役でないながらなかなかの美声を聴かせてくれた。
ジョルジョは存在感あるバリトンだったけど、アンニーナは縫い目のないなめらかなシルクみたいなソプラノ。
自分の声をぐいぐい主張してくる感は皆無で、でもさりげなく発せられる声が耳触り良い。
たぶんこの方も私の好きな周波数だか音程加減で歌っているのだと思う。

あとはもう覚えていないので、キャストのテキストのみ。
ステージ形式でなく通常形式でみたら、また思うことも違うのかもしれない。

【Gastone】Carlos Cremades/Felix Merino
【Marchese d'Obigny】Antonio Fajardo/German Casetti
【Barone Douphol】Jorge Tello/Guillem Batllori
【Dottore Grenvil】Néstor Pindado/ German Casetti
【Giuseppe (servo di Violetta】Emili Gispert
【Domestico di Flora & Commissario】Guillem Batllori