Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

マリーは目の前の人への愛を、マルグリットは人としての正義公平を:マリーアントワネット1/6

1つ前のエントリで書いたように土曜は海宝さんのコンサートを聴くことにしたので、あいてる日曜に何か入れたくて入れてみた。動機としてはそんな感じ。

そしたら、いい意味で見事にぶん殴られたという。結末への解釈などは提示せず事象だけを見せて、それについてどう受け止めるか、どう自分が反応するかはオーディエンスに委ねるスタイル。なのでウエストサイドストーリー、レミゼノートルダム的な終演後の感覚だった。

東京公演やってたのも知っててでもなんか舞台映像もそそられなくて行かなくて。ドレスに興味ないしな~、クンツェ&リーヴァイコンビの作品って出るキャストさんたちけっこう偏ってんじゃなかったっけ~と。でも、行けて良かったわ。ただしつらくて悲しくてやるせなくてあちこちで泣いてしまったので、とてもじゃないけど上演期間中何回も観るのは個人的に無理。


『マリー・アントワネット』2018PV【舞台映像Ver.】

いつもどおりあらすじ割愛でネタバレありな演者さんたちの感想を。みなさん歌うまかったしまぎれもなく歌ってたんだけど、それでも「演技」が心に残る後味だったな。

※そうそう、私は歴史に疎いからこの作品をそのまま受け止められたらけど、歴史が好きだったり史実に詳しい人からしたらもしかしたらモヤッとするところも多々あるのかも。

花總さん、素晴らしかった…!以前レディ・ベスを観たことがあり、そのときは「歌がアレ?ってときもあるけど、王女から女王、特に女王になってからがはまってるなぁ」と思ってた。彼女を観るのは2度目なので前回と今回どちらが通常運転かわからないけど、今日は歌も演技もすごかった。。

もちろん歌だけを抜き出して上手に歌う人は他にもいるかもなぁとは思うんだけど、あまりにも「マリーが歌ってた」。無理に高音域を地声で押し通すことなく、攻めと抜きがシームレス。高音もこんなに歌える方なのね。

彼女のマリーは、確かに世間知らずで華美な生活ばかりだったかもしれないけど、私にはそれは当然で仕方のないことだと見えた。それが彼女の日常であり、また彼女が演じようとしたフランス王妃だったのだと。

そしてマリーは、目の前の人を愛し、その人がしたいと思ったままにさせてあげようとする人だった(このあたり、ちょっとロアンやオルレアンを早々に嫌う描写が矛盾するといえばするのだが)。現実を見ていないと何度も言われていて、それはそうかもしれないんだけど、彼女は事実よりも意志や願いを尊重する人。

他方、昆さんのマルグリットは、正義と公平を貫く女性。悪いことをしていないのに生活に困窮する民衆を放っておけなかったし、マリーや貴族のことを憎んでいたのは民衆の暮らしを見ずに自分が豊かな暮らしをしていたから。理不尽な理由で嫌ったり憎んだりする人ではない。だからたとえ民衆に都合が悪くても、マリーや貴族に着せられた濡れ衣は許せなかった。

自分のアクションでマリーを裁判にかけてしまったこと、そして処刑してしまったこと。劇中では描かれていないマルグリットのその後は、きっとそういう後悔と己の非正義に苦しい日々を送っただろうと思い馳せてしまった。

マルグリットは、処刑台の前でマリーの手をとって送り出したとき、深々とおじぎをして、そのまま頭を垂れたまま動かなかった。あのとき、その場で崩れて泣き出して精神錯乱してしまうんじゃないかと思うほど、昆さんのマルグリットは小さくて痛々しかったし、カーテンコールでもしばらく役から心が戻ってこないように見えた。ちなみにマリーの花總さんは、全盛期のマリーの衣装をまとって出てくるせいか比較的早く微笑み始めていて、それはそれで心情の切り替えがすごいなと思った。

昆さんのマルグリットは、描写されるとおり若くてかしこくて肝の据わった女の子だった。ただ、歌はエポニーヌで完璧なイメージがついてしまったせいか、声が潰れたりぶれて聴こえたところが意外だった。けっこう高めの音域まで地声で出る人だと思うんだけど、怒りを演じてるゆえそう聴こえるところが散見されたのかも。初演は新妻さんがマルグリットだったらしいので、なにそれめっちゃ観たい…と思った。もうその可能性はないでしょうが。。

フェルセンの古川さんはお名前も人気もよく耳にしていたけど初めて拝見。ほんとに浮き世離れした美しさとスタイル。一人等身がおかしい。吉原さんだってかなり背が高くてかっこいいのにその上をゆく。美しすぎてちょっと2.5次元ぽささえある(2.5次元観たことないけどたぶんこんな感じ?って思う)。滑舌がはっきりしないように聞こえたのは、前日の海宝さんが滑舌良すぎたからかな。敵が強すぎたか(敵ではない)。

高音のとき一瞬お腹に手をやるのが癖みたいだけど、低音も高音もちゃんと出ていたし、ただドライなのではなく愛ゆえの距離の取り方なのだと納得させてくれる、クレバーなフェルセンという感じの役作りかなと。比べてしまえばYouTube舞台映像の田代さんのフェルセンほうが情感豊かでドラマチックに展開してそうな気もするし歌も「うまいー!」って感じなんだろうなとは思うけど、儚い声でマリーとこの世を憂うのが、この回のフェルセンとしては私はとても好きだった。

離れたり逃げたりするけど、最後はどうにかマリーを助けようと、完敗がわかるまであきらめず信じて動き続けた人として描かれていたように思った。この作品は史実どおりのところとフィクションのところとどちらもあるようなのだけど、彼の存在・行動はどうなのだろう?

佐藤さんのルイ、歌と演技がよく合致していてうまかったなぁ。彼は国王ではなく平凡な鍛冶屋だったら幸せに暮らしただろうと思わせられる。彼の鍛冶屋としての素質を活かしたギロチンが、自身やマリーや貴族を処刑することになるなんてあんまりだ。ひとつ、マリーに毎回「愛しい人」と言うのはちょっと違和感あったけど、おそらく原語だとhoneyとかdarlingとかそんな感じの意味のドイツ語なんだろう。

ルイは民衆の罵声を浴びているときも投獄されるときも、弁明したり憤ったりせず、国民の声を聞こうとした。秩序がどうこうではなくそこにいる人たちの意志を尊重しようとしたところが、マリーとおんなじだと思った。ある意味この夫婦は、理想を掲げて人を無碍にしないところがよく似ていると思った。

ほか細かいところは、楽しみにしていた彩乃さん演じるランバル公爵夫人の歌がめちゃ少なかった!でも短いながらも美しい声は聴けたし、アルトに音域は意外とハスキーなんだなというのも発見だった。だから彩乃さんの声は、ソプラノ音域は声量豊かなフルートみたいな、アルト音域はオーボエみたいな響き。

吉原さんのオルレアン、美声だし歌もいい感じだったのだけど貴族感はもう一歩。品があるけど悪巧みがすごい影の黒幕的なキャラクターだったらもっと恐ろしかっただったかも。ジャックはアンサンブルさんだと思っていたので、やたら歌うまいなーと思ってたら、お名前をよく聞く坂本さんだった。終わってから気づくパターンはパレードのときと一緒だ。。パレードといえば、その頃から美声に注目している吉田萌美さんもアンサンブルの中から見つけることができて、民衆の勝ち気で嫌味な女性の演技がとても目を引いた(さすがに歌声は拾い出して聴き分けられてない)。

彩吹さんのローズと駒田さんのレオナールコンビは、コメディ担当にはもったいないくらいしっかり歌っておどけてくれて、脇を固めてくれていた。せっかくハイクオリティなおふたりなので、もっとおいしい見せ場があっても~と思うくらい、お話の本筋には絡んでこなかった印象。


マリーの人として/母として/妻として/愛人としての愛情深さに惹かれ泣かされ、フェルセンの控えめなやさしさと思い続ける愛の深さに癒され、マルグリットの正義を貫きたいだけなのに言葉を失うような時代に流されていくつらさと後悔にまた涙。本当に観て良かったと思ってる…が、お正月からなんておどろおどろしい作品を上演してるんでしょ。不思議。あと書きながら思ったけど、それぞれの方向性としてマリーはバルジャン、マルグリットはジャベールなのでは?これはレミゼなのでは?と思えてきた。

そうそう、作曲者のリーヴァイさんが客席にいらしていて、うわーふつうにいるんだーと。まだ開演前だったし特にファンではないので興奮することもなかったけど、終演後は心の中で「(この心乱されるぐちゃぐちゃな感情をもたらしてくれて)ありがとうございました~」と悶えていた。

あ、今更だけど会場は梅田芸術劇場メインホール。1階席の真ん中よりは前方で少し下手寄りだけど、とてもとても見やすい席だった。音響のバランスも良くて、曲が曲なせいかテーマがテーマなせいか上品で豊かな響きに聴こえたように思う。ただし、椅子がすごく腰痛くなる形(腰の後ろにクッションのようなパーツがあり腰が反ってしまう)で、すごく前屈したくなったのだった。笑


1/6公演キャスト

マリー・アントワネット花總まり
マルグリット・アルノー昆夏美
フェルセン伯爵:古川雄大
オルレアン公:吉原光夫
ルイ16世佐藤隆紀
レオナール:駒田一
ローズ・ベルタン:彩吹真央
ジャック・エベール:坂元健児
ランバル公爵夫人:彩乃かなみ

歌唱力高すぎるゆえの(観客としての)悩み:海宝直人 in concert 大阪

例年年末年始は旅行してたり年越しライブ行ってたりだけど、今年は珍しくどこも行かず、しかし休みは長く、都内でもいろいろやってるけどそんなにピンとこず。「じゃあ海宝さん聴きに行っちゃおう」という感じで行ってきた。

会場は先月行った渋谷オーチャードから、大阪サンケイホールブリーゼに。音の違いは箱の違い?今日のほうが奥行きコンパクトなせいか、全体的に聴きやすいように思った。オーチャードってけっこう奥行きが長いから席位置によってどうしても音の質のばらつきが大きいのかな。

弦楽器は渋谷より少なくなったこともあり、厚みと情感は減った感じがしたけど、ばらつきは少なくまとまりよく聴こえた。1stヴァイオリンの神山里梨さん(お名前で検索したら若い女性のヴァイオリニストだったのでたぶんこの方かと)は愛の賛歌やYou Raise Me Upのやさしい旋律が素敵。オペラ座ではもう少しデュエット感があったらなとも(後述)。

セトリはいつもどおりいろんな方がSNSにあげてくださってるのを拝見しながら思い出し書き。渋谷とかぶるものも多いのでコメントのコントラスト激しいです。

・Heaven on Their Minds
海宝さんのジーザスブーム引き続き。毎回ジーザスに「ピンとこない」と言ってる私は私で、いい加減一通り音源聴くべきかなと。こんなに頻繁に歌われるのなら。

・Til I Hear You sing
・Waving Through a Window
ファントムはセトリ英語表記だけど日本語歌唱だったかな。渋谷のときもかなり素敵だったので、今回も相変わらず。作品として、ストーリーとしては、オペラ座もラブネバーダイズもファントムも好きではないけど、この歌が聴けるなら演じてほしい。

Waving~は、前回がどちらかというと切実さ強く押していたような印象で、今回は少し大人なエヴァンという印象。声音は高く置きすぎず、語るような歌い方。「anybody」の「o」、「tap」などの「a」の声の出し方が丁寧でスムースで爽やかな響きで、個人的に好きな声だった。わりと後半に感情の山をもっていった印象で、ライブならではだなと思った(もし音源でそれをやったら間延びしそう)。

The Phantom of the Opera
・Tango Milonga
・You Raise Me Up
クリスティーヌの超絶技巧ハイボイス健在。ヴァイオリンはもう少しアイコンタクトしてあげてほしかったなぁ。海宝さんがファントムばりにヴァイオリンクリスティーヌに視線を送っているのに、独奏寄りな演奏に見えた。

難しいポーランド語のタンゴも披露。からのYou Raise Me Up!これはCeltic Woman大好きな私にとって大好きな曲の1つなので「予想だにしなかった素晴らしいコラボ!」と思った。ただしこの曲で残念だったことと感心したことがひとつずつ。

前者は、特定の個所だけ歌詞がよく聴こえなかったこと。サビで繰り返し出てくる「You raise me up so I can stand on mountain You raise me up to walk on stormy sea」という歌詞なのだけど、数カ所あるto walk on stormy seaの部分だけが毎回ぼんやり…?歌詞が飛んだのか間違えて覚えていたのか私の聞き間違いかわからないけど、「~sea」のとこも「~mountain」と歌ってたような。

人間なんだからそのくらい寛容に、と思いたいのだけど。ずっと大好きな曲で、しかも海宝さんがその曲を次いつどこで歌ってくれるかもわからないレアな曲なので、惜しくてしょうがない~という気持ちだった。(こんだけ書いといて聞き違いだったら心底申し訳ないけれど、私にはそうきこえた。)

他方、感心したのは、上記を微塵も感じさせないほど、音程にぶれが現れなかったこと。歌詞、なんて言ってる?とずっと注意深く聴いていたけど、音程はあまりにもぴたりとはめていてすごすぎると思った。プロってすごい。アドリブ力も驚異的。

・愛の賛歌
ぽつりぽつりと歌い始めて、湧き出る愛がこぼれ落ちるままに歌うような愛の賛歌。今日も素晴らしかった。息を多めに入れて、儚い感じ。これ歌う女性はわりと渋く歌おうとする曲な気がするけど、そういうアプローチより個人的にとてもしっくり。

・On My Own
・I’m here
愛の賛歌が熟女だったとは思わないけれど、続けて歌われるとそれよりもうら若い女性の歌として聴こえた。実際エポニーヌはあまりにも早く亡くなるからその表現で合ってるんだけど、男性でこの感じを出すことってできるんだぁと。I'm hereは、今日は歌詞がよく聴こえてまずその内容にうるっ、曲が進むにつれてなんかよくわらかないけどうるっ。書き表し難い。

・Aladdin Medley
・Santa Fe
ここから2部。アラジン、声優できそうなくらい余裕だしぴったり。ただここに限らず、今日はかなり母音の発音強めでときどきムム?となった。もともとsとかkとかはっきりしていると思うけど今日は特に。

Santa Fe、ラストは切ない心の叫びに聴こえるなと思ったら、やはり心が折れるようなシーンなのだとか。毎回Feの伸ばしの声をわざと割ってくるのがすごい。きれいに出し切らないことでその心情を表現しているのかなぁ。

・So Close
・Out There
・Someday
セトリが英語表記だけど全部日本語歌唱だったような。So Closeはラスサビ手前「あなたのいない世界なんて」が、熱唱ではなくて失意の独り言のように歌われていて、そのアレンジもとってもはまるんだなぁと。グッときた。

ノートルダムについては「とても大切でこれからも大事にしたい作品」と言っていたので本当にその通りに思っているんだろうと思うと同時に、カジモドは当分やりそうにないなという感じが、どうも話し方からも歌からも感じられる気がした。観たいけどしょうがない。

・Sheridan Square
歌うでもなく話すでもなく呟き置くような「tonight」が好きだなと。squareの歌い方、音の置き方が、英語できる人だなぁと思わせる。qの音が聴いてわかる。自分で再現しろといわれたらたぶんできないけど。笑

・Cry For Me
・December 1963
この日もジャージーの盛り上がりはばっちり。私は観たことがないせいか、Cry For Meを他の人の1/5くらいしか楽しめていないのかも。。What a nightの最高音、今日は正解がよくわかりました。音がわかってすっきりした。

・Gethsemane
・Bring Him Home
アンコールでも手をゆるめなさすぎるセトリ。最後の最後、声出なくなるんじゃないかと勝手に心配してしまった。海宝さんのことなので「音が当たらなくなるのでは」という意味ではなくて、「(セトリに高音低音技巧全てを盛り込んでしかも曲数もなかなかゆえに)声が出なくなるのでは」という意味で。実際は歌いきって締めくくれていた。もちろん。


歌い上げたりトリッキーだったり、そういうのもとっても素晴らしくて、それは異論なく。ただ、難解技曲みたいなのではない曲、たとえば前歌っていたMy Wayや翼をくださいのような曲を、歌唱力がある人だからこそ出せる声で歌ってもらえたら。そういう贅沢なことを思ってしまう(タイトルはここです)。

あと前から気づいてたけど、ほんとこの方は腕を広げて朗々と歌うことがない。Til I Hear You singもSanta FeもOut Thereも、最後は高めの音域にロングトーンだからふつう腕を広げて体いっぱいに気持ちよく歌う人もいると思うけど、それをしない。(その歌い方も曲と合ってれば見ていて気持ちいいので批判したいのではないです。)

そうすると声が出しにくい(たぶん右側方向に首~顔を向けるのがコントロールしたいときの特徴という印象)のかもしれないけど、おそらくそうではなくて、「自分がその役の人物だったら腕を広げて歌い上げないと考えてるから」なのかなぁと思ってる。本当に、「自分」じゃなくて「その歌」を表現することだけを考えてる人なのかなぁと。


余談だけれど、めちゃくちゃ暇でもうやることがない!ということでもなければ、ライブもコンサートもミュージカルも、やっぱり都内近郊でおさめようと思った。単純に疲れるし、国内旅行を兼ねようと思うには時間が足りない。

無論、海外なら観光もライブもコンサートもミュージカルも貪欲にやれてしまうので別腹。アドレナリンか?

大きくてクラシカルなシアターで観る醍醐味が詰まってる!:42nd Street 8/25@Theatre Loyal Druly Lane

これ、書きかけで置きっぱなしになっていた!歌ではなくタップダンスがメインの作品なのでダンス経験のない私には見たことを書き表すのが難しい&さすがにもうことこまかなことは覚えていない…。とはいえこの滞在で一番「あー王道のミュージカル観た!」という満足感を得たことは間違いないので、今更ながらささやかながらup。

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2018年夏のロンドン3泊5日弾丸旅行。1晩に1本見る感じで3つ観賞。最後はコチラ、42nd Street!ロンドンラストの夜を飾るにふさわしい、ハッピーでゴージャスな作品だった。


42nd Street on ITV's Tonight at the London Palladium

たしか去年のウエストエンドでのオープンくらいからYouTubeで動画を見つけてて、こんなに華やかなタップダンスは一度観てみたい!と思っていた作品。とにかく冒頭のAuditionのシーンが好きだし、ラストのブロードウェイ作品の電光看板がたくさんぶら下がる中でのダンスも大好き。珍しく音楽二の次でタップダンスに魅了されちゃった珍しいパターン。

これも事前にネットでチケットとっていて、グランドサークル前から2列め、ちょっと視界に手摺が入るゆえのお値打ち価格35ポンド。大きい劇場なので出演者の表情を肉眼で捉えるのは微妙だけど、この作品はダンスや全体のフォーメーションが楽しめれば◎だったので、私にとってはとてもいい席だった。

さて、以下つたない感想いきます。あらすじはWikipediaでお願いしますすみません。

まずタイトルにも入れたけど、豪華なシアターと古き良きJazzyな楽曲がとてもマッチしていて、とにかくその雰囲気がとても楽しかった。前々日にキンキーブーツ、前日にウィキッドを観ていたけど、音響も一番良かった印象。何が違ったかなと思うと、おそらく「生っぽい音」に聴こえたなと。サックス、ラッパ、ドラムスなどビックバンドの生バンド感が、そのまま音としてグランドサークルまでいい意味でふわっと上がってきた感じ。ティンパニがいると奥行きが出ていいなぁと。

タップダンスはどうしてもタップチップの音をマイクが拾う関係でバンドほど生音感はさすがになくて音は鋭め。どうせマイク通すならもう少し角のとれた音に調整していただけたら耳にやさしかったかも。人の歌声は生音感も機械音感もなく、聴きやすかったかな。みんなあのダンスしながらなぜ歌えるのか、ダンスも歌も素人の私からしたらとっても不思議な偉業。

あとこれはこのカンパニーに限らずこの作品をやればある程度みんなこなすことだとは思うけど、趣向をこらした演出や装置、ダンスの見せ方がおもしろかった。舞台上部から鏡のような装置が下りてきて、舞台上で横になりシンクロのようにダンスをするダンサーたちを映して万華鏡のようにしていたり(42nd Streetの映画で取り入れられた「バークリーショット」というらしい、その後のミュージカル映画に取り入れられるようになるほどスタンダードになったんだとか)。「Honeymoon Express(ハネムーンエクスプレス)」という名をつけた列車に乗っているように見立てて、小窓全てに配されたキャストが歌や振付やリアクションをしたり。

キャストについての感想は…、登場人物多すぎて本当にメインのキャストしか追いつかなかったというのが正直なところ。男性キャストにはあまり特別感想がないかも。。どうしても華やかなダンスも華やかな衣装も、女性のほうが目立つ作品だと思うので。

この人良かった!と思ったのは、ドロシー役の方。ステフ・ペリーさんでいいのかしら?ドロシーは美人でベテランで実力はあるけど旬は過ぎていて…という感じがちゃんと伝わってきて、「困ったプリマドンナだな」というのに納得感があった。歌もダンスもできて、だけどわがままな感じ。

終盤ペギーに親切にアドバイスするところなんかは唐突にも感じたけど、これは演じ方じゃなくてそもそもの脚本がそういう流れになっているからだなと思った。そんな流れを、過剰すぎず適度にやさしくなったドロシーといった感じで演じていて、「この大味(悪い意味ではないです)の世界観のキャラクターなら若干唐突なリアクションをしてもまあおかしくないな」と思わせてくれた。最初から最後まできちんと大御所感があり説得力ばっちり。

あとは、ペギーの見方になってくれるコーラスガールたちの筆頭、おそらくキャストリストだとアニーとして表記されてる方。エマ・カフリーさんかな。冒頭のオーディションの場面での我が強い感じ、でもペギーの実力と人柄を認めてくれて助けてくれる感じ、どれも絶妙で、かなり目を引かれた。個性あるキャラクターとしての存在感があった。この作品は歌もダンスもできる人でないと厳しい役ばかりだと思うけど、メインキャストよりはアンサンブルに近いダンス量をこなしながら歌うのはこの人が一番大変なんじゃないかなと思った。

ひとつ誤算だったのは、主役のペギーがアンダーだったこと。読み方合ってるか不明だけど、ハンナ・フェイス・マランさん?タップダンスに詳しいわけではないのでたまたまそう聞こえただけかもしれないけど、タップチップの音がちょっとクリアじゃないような気がした。タイミングというかステップが時々ずれて聴こえた箇所もあったような。ただ、お顔は若々しくスタイル的にもすらりと可憐な感じで、田舎から出てきたうら若い娘という風貌にぴったりだったのはとても良かった。YouTubeみてると本役の方のほうがわりとお顔が大人っぽいし、がっつりタップを踊るせいかどちらかというと筋肉質でしっかりして見える。

キャストについては調べれば調べられたかもなんだけど、「登場人物多すぎてどの人がメインキャストでどの人がアンダーか調べてる暇がないや」「一番人気で盛り上がる土曜の夜公演を観にいけばアンダー率低いでしょ」と踏んだのが甘かった。まあでも初見だし作品もダンスも詳しくないから、ビジュアル的に好みのハンナさんで結果的に良かったかも。

今回全然歌とか音楽のことがほとんど書けてないけど、そのあたりはYouTubeで補完ということで。。笑


少し前に韓国でも韓国人キャストでこの作品を上演してたみたいだけど、イメージ的にこの作品は欧米系のダイナミックなパフォーマンスで観たいかも。歌やダンスがいくらうまくても、どうしてもパッと見たときのしっくり感は超えられない壁がある気がする。

いやしかしロンドンでやってたの観られて本当に良かった。ロンドンは来年初頭にクローズのようだけど、ツアーとか回らないのかしら?来日したら2回くらいは観るし友人知人にも宣伝するので、ぜひお越しくださいお待ちしております。笑


Cast List
Dorothy Brock:Steph Parry
Julian Marsh:Tom Lister
Peggy Sawyer:Hanna-Faith Marram
Billy Lawor:Ashley Day
Maggie Jones:Jasna Ivir
Bert Barry:Christopher Howell
Part Denning:Matther Goodgame
Andy Lee:Graeme Henderson
Abner Dillon:Bruce Montague
Mac / Doc / Thug:Thomas Audibert
Annie:Emma Caffrey
Phyllis:Clare Rickard
Lorraine:Ella Martine
Oscar:Paul Knight

どうか素敵なクリスマスを:海宝直人 in concert

ここしばらくミュージカルもライブも行ってなくて、だからけっこうワクワクして行ったコンサート。夏のバースデーコンサート以来かな?久しぶりに海宝さんの生歌を聴いてきた。

全体感としては、もちろん相変わらず素晴らしい歌唱力。そして表情が見えていたわけじゃないけど、とても楽しそうに歌ってた印象。ただ、(私の好みの)高音域が少なめだったなあというのと、ちょっとした音の端々の輪郭の曖昧さを感じたような気もした。一昨日まで風邪で壊していた私の耳で聴いてたからかも。

あと、上記を抜きにしてもなんかまた声の感じが変わっていきそうな気がした。よりマチュアに、深くなっていきそうな。少し青さの残る声が好きだから、切ねぇ、切ねぇです…でもやっぱりお歌素晴らしいからこれからも聴きます。

以下、Twitterで拝見したセトリを参考に見ながら感想を。
※「こう歌ってた」じゃなくて「こう聴こえた」なので、あしからず。


・Heaven on Their Minds
ジーザスのダークなメロディラインをモチーフにしたオーバーチュアからスタート。ロックのライブ始まるのかしらと思うくらい不穏でちょっとびっくり。ジーザス~をみたことないせいか前回も今回も実はあまりピンときていない曲。会場の歓迎はすごかった。

・Waving Through a Window
ぜひ聴いてみたい!と前々から思ってたから前奏始まったところでテンションup。ただこれが思ったような声を使っていなかったので少し意外だった。若さ、もろさ、不安さ、みたいなものを高くて細くて切実な声で歌ってほしかったというか。私はベンプラットの音源になれてたからそういう歌を聴きたかったのだけど、今回はそういう線形の声は使わず面で押していくスタイルだったように感じた。海宝さんに出せない音はないに等しいと思ってるので、これがオリジナリティというやつなのかな。

・Postman Medley
ストーリー説明にもメドレー自体にも時間を割いてた感じで、彼にとって大切な作品なんだなというのがわかる。パウロ?パオロ??のインスピレーションの曲(ポストマンの曲、どれもタイトルわからないのでざっくり)は開放的で、ソフィアの未完成の絵の曲は落ち着きとやさしさがあった。一人で全てを歌っても破綻がないというか、どのキャラクターも当たり前に描き出されたのがすごい。ただこれも細い声を使わず面積広めの声での歌唱だったので、個人的な好みだとYouTubeで聴ける水野貴以さんの弦をしなやかにこするような高音のほうが好き。

・Til I Hear You sing(日本語歌唱だけど邦題失念)
The Phantom of the Opera
ラブネバーダイズ観たことないのだけど、ファントムは今日の海宝さん(高めの音域を鋭く出さない、比較的中低音域をたっぷり鳴らす)の歌い方だととってもハマっていて素敵。しっかり聴かせつつ、ファントムの苦悩も見えた気がして、出演しているのを観てみたくなった。オペラ座の怪人はバイオリンとデュエットしていてクリスティーヌのソプラノまで出ていてすごかったけど、これが「歌う」じゃなくて「音を出す」に感じた曲。

なんかジーザスとかファントムとか、発声のレベルが理解の範疇を越えている~と思った。それゆえか、「地声に近い音量で高い音を出す」ことがゴールに見えて「歌」には感じなかった。ソプラノボイスを皆さん楽しまれていたようだけど、私には「歌ってる」感じにはきこえなくて「ビブラートが激しい高音」に感じて耳がつかれたかなぁ。やっぱり病み上がりで耳が敏感だったせいかも。そうそう、外タレさんて直線的に伸ばした後に声を揺らしていくけど、海宝さんは最初から声の揺らしを入れてる。

・Poland Medley
・愛の賛歌
・I’m here
ポーランド語が難しそうということだけわかった…難しかった笑。愛の賛歌がとてもやさしくて包容力のある深い歌声で素晴らしかった。これが一番感動したかもしれない。声音としてはチェロのようなバスクラリネットみたいな、ゆったりとした響きで息しっかり。I’m hereは昨年4starsでシンシアエリヴォ本人を聴いてしまったので、あの音調と力強さで歌ってもらわないとピンとこなくなってしまったという贅沢な悩みに気づいた。我ながら贅沢すぎる。


・Aladdin Medley
・Santa Fe
ここから2部。カジモドしか観れていないので、なにげにOne Jumpがチラ聴きできてよかった。理想の息子を聴きながらなんとなーく会場見渡しながら思ったのは、海宝さんはだれからも愛されるみんなの「proud of your boy」なんだなってこと。ただ、アラジンにしては少し素直さが影を潜めて地が飛び出ているような気がした今日でした。Santa Feは夏もやっていたなと。耳触りのいい歌い出しからの美声大放出。

・クリスマスメドレー
・陽ざしの中へ
・いつか
クリスマスメドレーはおしゃれ。歌い方のtasteは少し濃いめ?発音良すぎるゆえそう感じたのかも。そして陽ざしの中へ、いつか、ともにノートルダムから。歌い込んでいるからというのもあるし初めて観た作品だからというのもあると思うけど、やっぱり私はこの人のカジモトに心奪われるなぁと。感情移入がすごく、さながら本公演のような心の萎縮と解放があった。抑圧された心を表す声音や、溢れ出て吐露するどうしようもなさに、ぐっときた。いつかは、カジモドが歌ってると思ったらもう平木さんのソプラノボイスでフロリカ流してほしくなる。笑

・Sheridan Square
もともとはピアノアレンジのみだったSheridan Square、それだけでも十分素敵。それをさらにオーケストラアレンジにしてしまう、しかもまとまりがあって美しいという。森さんって指揮もピアノもアレンジもできるし、なんとはなしにいつもサポートメンバーとしているけど、毎回この人の演奏もっと聴きたいと思う。歌については、やさしくて、そばにいる友達を話しかけるように歌って見えた気がした。

・December 1963
ジャージーも観てないのだけど、オーディエンスの盛り上がりすごかった。確かになんだか楽しくなるね。ただ、What a nightの最高音の正解がよくわからなくて、どうも違和感あったかな?

・Gethsemane
・Christmas is My Favorite Time of the Year
アンコールはこのふたつ。ゲッセマネジーザスのくだりで触れた通り。観たことないしキリスト教の素養がないのでどうしても感想に乏しい…。あとどうしてだろう、シャウトの声は確かに出ているのに、これも歌に聴こえず音に聴こえた。クリスマス~はアバグネイルJr.とハンラティ、どっちも浮かんで微笑ましかった。Catch Me~、アーロントヴェイトがやっていたYouTubeみたことある。海宝さんできそうだなぁ。


私の耳の調子ゆえ?、少し不思議な声や音や楽器の聴こえ方だったかも。声量豊富すぎてもうちょっとマイクの音量下げてと思ったくらい笑。ご本人楽しそうだったし歌わずにはいられない性質なのだろうけど、たまにはお休みしないのかなぁ。勝手に私の想像した歌い回しじゃないところがあったというだけなんだけど、私だったらあんなにずっと活動していたら擦り切れそう。笑

日夜歌い演じて素晴らしいものをみせてもらえることに感謝をこめて、どうか素敵なクリスマスを!

歳を重ねる毎にグリンダに感情移入が強くなる:Wicked 8/24@Apollo Victoria Theatre

2018年夏のロンドン3泊5日弾丸旅行。1晩に1本見る感じで3つ観賞。2つめはウィキッド。通算9回目の観劇でした、意外と10回いってなかった。笑

私の中では曲、ストーリー、セット衣装の総合バランス的に不動のNo.1作品。今までもこれからもきっと好き。


Wicked UK | Official Trailer

これも事前にネットでチケットとっていて、1階ストールズの前から2列目最上手から1席内側、40ポンド強。表情までよく見えるし前の席の人の頭もほとんど気にならないしDefying Gravityなどでの見切れもないから私は良い席と思ったけど、初見にはおすすめできないかも。

私は何度も観てるから多少見えなくても問題なかったけど、

・No One Mourns The Wickedではアンサンブルがステージ手前までくるのでグリンダやエルファバ両親のシーンが見えない
・マダムモリブルやボックが上手セットの上でアクトするときは近すぎて顎を見る感じ
・ドロシーへの道案内するグリンダのシーンは全く見えず声だけ聴く
・話を追うのに支障はないけど、ドラゴンもかなり真上なのでいつ動くか知ってないと意外と見逃すかも

などなど。繰り返しますけど悪くない席、こういうのが些細と思うのであれば。そうそう、スピーカーが目の前なので楽器隊の音がとてもいい!ネッサの嵐のときなんか地響きレベルの音が出ていて、大音量の映画館みたいだった。歌声はそこからは出てなかったので、ステージ上の真ん中に吊ってるスピーカーから出してるのかも。

※キンキーでも書いたけど、Seat Planというサイト、ロンドンの主要な劇場の座席からの写真をユーザーが投稿するサイトで、超お役立ち。

今回とっても近かったから、アンサンブルさんたちのダンスも「群舞」ではなくて個々の「ダンス」と捉えてみることができてよかった。男性陣ってどうしても特徴が掴みづらいのだけど、女性陣でいうと赤毛の女性とひっつめヘアーの女性が、芯がありながらしなやかなダンスをしていて目が幸せだった。この作品はアシンメトリーなデザインの衣装とそれが揺れるダンスも楽しめるなとつくづく。

人力で動かすドラゴン、Dancing Through The NightやOne Short Dayでパッと華やかになる電飾、もちろんエルフィーが舞い上がるセット。ど頭の音楽、What Is This Feeling?のファニー感、No Good Deedのどうしようもないダーク感。好きがいっぱい詰まった作品。

そして海外では圧倒的な声量と歌唱力も堪能できるし、やっぱりゴージャス感も違うし、大きな拍手や笑い声や歓声・指笛もすごく盛り上がる。ただ、エルフィー誕生シーンでの爆笑は、日本人の私にはどうしても心からは笑えないけど(「ハハッ」くらいの笑いにはなってきた)。笑

さて、今回特に良かったキャストはソフィ・エヴァンス演じるグリンダとメラニー・ラ・バリー演じるマダムモリブル!アリス・ファーンのエルファバも悪くなかったのだけれど、こちらはもっと私好みのキャストが歴代たくさんいるので。

まず、ソフィのグリンダ。劇団四季のグリンダでガッツある人は見たことがないけど、海外グリンダってけっこうお胸があるせいか腕ががっちりしている(そして割と足もがっちりしている)人が多くて。しかしソフィはクリスティン・チェノウェス系のお胸ありつつも手足の細い可愛いグリンダで、まずビジュアルがとても良かった。

歌声は、高音はそこまでストロングではないのでときどき若干ハモり負けしそうな気配があったもの、十分良かった。地声と裏声をあからさまに行き来するといったことはなかったし、高音の多いグリンダでも「うるさい」と感じさせないストレスレスな発声だった。

そして特によかったのがキャラクターづくりや演技。NOMTWでも笑顔の合間にすごく不安そうな顔や、エルフィーを悪く言われて悲しそうな顔をのぞかせて。学生時代は本当におバカなブロンドという感じで、Popularをはじめとしたファニーなキャラクター造形がとてもハマっていた。二幕でいろんな経験を経てのラスト「I'd like to try to be... Glinda the Good.」なんかもう…。どんだけ辛い決断をしたんだあなたは!と声をかけてあげたくなるくらい、複雑な顔をしてから決意の顔になる強さが際立っていた。

そしてもう一人とっても満足度の高かった、メラニーのマダムモリブル。彼女も衣装からしてまずとても似合っていた。時々マダムモリブルって、バカ殿みたいなメイクになっちゃってる人とかいるから…。あとスタイルが貧相すぎても衣装がマッチしない。そういうところもちょうどよかった。

シズ大学の先生としてニコニコ良い人そうに、面倒見のよさそうに見せておきつつ、去り際、最後の最後に目がこわいのがとっても良かった。マダムモリブルにあまり歌のうまい人がいてももったいないようにも思うんだけど、この人は二幕でも重要なカギを握るのでしっかり歌ってほしい人。そこも、しっかり旋律をなぞって歌ってくれていたし、凄みをきかせた声やエルファバの悪評を伝染させるときや悪役らしいシャウトなど、やっぱりダークさを出すのが上手だった。

アリスのエルファバは、けっこう怒ってるイメージが強かった。Youtubeでチェックしたときはあまり好みでないエルフィーだと思ったけど、怒りっぽさがあるとはいえ、見て見れば比較的王道のエルフィーだった。Defying Gravityでは「Take a message back from MEEEEE!」がやっぱりうるさかった感じで、ちょっとe音のビブラートが大きいのに細かくて耳にやさしくなかった。陽より陰がうまいエルファバなので、No Good Deedの影のある大人な女性の動揺と怒りは素晴らしかった。

他キャストはそんなに良い印象も悪い印象も強くないかな。ただ、女性陣は比較的安定感あるキャスティングなことが多い気がするのに、なんでウィザードって安定してイマイチなんだろう?ロンドン、シドニー、日本と3箇所で見てきたけど、良かったなぁと思ったウィザードは日本で1回みた人くらいだったよ(劇団四季の…どなただったかは忘れてしまった)。あとエルフィーパパも80%くらいの確率でイマイチな気がする。

フィエロは、及第点という感じ?特別歌が上手いわけでも下手なわけでもなく、ダンスも特筆するところはなく。まあ私がフィエロのダンスをジャッジできるのはカカシダンスの一瞬だけなのだけど…。フィエロといえば、オフブロードウェイのヘザースでオリジナルJ.D.だったRyan McCartanが、Wickedのフィエロ役でブロードウェイデビューだそうな。まだ25歳…ヘザースの頃は20歳そこそこだったんだぁすごいわぁ。

今回9回目の鑑賞だったWicked、10回目はどこかな?ブロードウェイでも観てみたい気持ちはあるのだけれど、ウエストエンドよりだいぶチケットがお高い感じがするんだよなぁ。。何か仕事があればそのついでに行けたらいいのに。

Cast List (in order of appearance)
Glinda:Sophie Evans
Witch's Father:Rhidian Marc
Witch's Mother:Jennie Abbotts
Midwife:Kerry Enright
Elphaba:Alice Fearn
Nessarose:Rosa O'reilly
Boq:Jack Lansbury
Madame Morrible:Melanie La Barrie
Doctor Dillamond:Chris Jarman
Fiyero:David Witts
The Wonderful Wizard of Oz:Andy Hockley
Chistery:Chris George