Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

幾層にも重なるような音とダンスでできている:West Side Story 7/23ソワレ

観るつもりなかったけど、一応チェックしてみたらいい曲ばっかりだということに気づき慌てて観に行った@当日券。

Highlights of "West Side Story" on Broadway

観劇で払うのって高くても10000円くらいだからS席13000円は高いなと思った。
が、パフォーマンスがちゃんと良かったしそこそこ見易い席だったので総じて満足。
今回は真ん中よりちょい前のサイドブロック下手側に座ったのだけど、傾斜もあったし(シアターオーブは8列目からじゃないと傾斜がないことを今回ふらふらして学習した)、音の聴こえもまあまあと思った。
いつも2階席にしてたけどいつも音がこもるので、今度からは1階か3階かな~。

ざっくりとした感想は、
「曲に触れ幅とおもしろみとセンスがあって素晴らしい!」
「ダンスもバレエのようなクラシックな動きをベースに多彩に展開していて見ごたえすごい!」
「トニーとロザリア(+Somewhereソロ)の声に魅了された!」
の3本。笑

あと後味というか終演後の気持ちは、ノートルダムと近いかな、悲しくて悔しくてやるせない感じ。
私が彼らだったらどうしていたら…この悲劇は回避できなかったのか…
人間というのはどうしてこう賢くないんだろう…それでも生きていかなきゃならない人間って…。
(このあたりでやるせなさMAXで言葉が出てこなくなる)
もう観たくないかというとそうではない。
そういう衝撃的な気持ちを持てることはある意味自分の気持ちに変化を与える機会として貴重だし、音楽やダンスを楽しみたくてまた観たくなったりする。

さて曲については私が言うまでもないけど、クラシカルなものからジャズ、マンボやチャチャといったダンス音楽まで幅広い。
トニーの声が良かったからSomething's comingもMariaも良かったし、ロザリアの女優さんが舞台に姿を見せずに歌っていたSomewhereも素晴らしかった。
I feel prettyなんかは、WickedのPopularとかSound
of MusicのMy Favorite Things に雰囲気似てるかなと思ってかわいいなと。

ただこれだけ幅広いと、演奏するのも歌うのも踊るのも大変そうだなぁと楽器演奏や歌をかじる人間としては思う。
歌なんか、音符の行き来が激しい。
あと、あの音の重なりというか奥行きというか、なぜそういうふうに聴こえるんだろう。
込み入って難解とか緻密で固められてる感じはしなくて、幾層にも重なるような奥行きを感じた。
オケピを覗きに行ったら思ったほど楽器が多くなくて、なおのこと不思議だった(もちろんいい意味で)。

ダンスは微塵もかじったことがないのでわからないけど、少し様式美というか古典的な振り付けなのかな?
優雅に飛び上がるバレエのようなダンスがすごく好きで、何度も言うけどSomewhereは女声ソロとあいまって幻想的なシーンだった。

ジェットとシャークスのダンスは一人一人の動きや跳躍にやや個性があって(見方によってはばらつきがあって)、そういう意味ではダンスパーティの一連のダンスのほうがまとまりはあったかな。
んーやっぱりダンスについては疎いしこの作品を舞台でちゃんと観たのは初めてなので絶対評価しかできない。
ダンス素人としては、総じて「すげぇなぁ」「素敵だ」と思うことが大半で満足でした。

さて、素敵な歌声を表現するために書いているような本ブログのメイン、トニーとロザリアの印象的な歌について。
まずトニー、演じていたのはKevin Hack。
うまいうまいというクチコミは見かけてた。
そして期待を裏切らず素敵な歌声だった。

どう素敵かというと、Matthew James Thomasばりに高音に無理がなく、スムースに出るし高さも問題ない。
高音域を安心して聴けるだけでかなりポイント高いのだけど、しかもその音域でメゾピアノ~フォルテくらいのクレッシェンドもやってのけていた(Something's comingかな)。

ずっと裏声、とかずっと地声張り上げ、とかはやれる人いると思うけど、音程はそのままに息の量をだんだん多くして音量を上げてくのって難しいんじゃないかなと素人ながら思っている。
相当な息の量がないとあのクレッシェンドはできないと思うし、やり過ぎても声が揺れてしまいそうだし、器用にチューニングして歌ってるなぁと。
もちろんなんてことなしにやってたし、たぶんこの方MAXのところでも7割~8割くらいのパワーで歌ってたんじゃないかな。
まだ余裕がありそうだった。

あと、Mariaだったかな、甘くしっとり歌っていてこれも聞き応えがあり、たぶんAmerica並みに拍手が多く長かった曲のように感じた。
この曲の高音部分はさらに耳が幸せな感じで、オケの弦楽器と溶け込むようなきれいな声を響かせていた。
ほんと、バイオリンとかチェロみたいな、やさしいんだけど実はハリがある、という感じの声。
声というか楽器みたいだったから、音、という感じ。
(高音好きなもので、その話ばかりしてすいません。)

少しだけ気になったのは、声に角がないせいか、感情を爆発させてるように見える場面が思い出せないこと。
まあトニーはケンカもしないし、ベルナルドを刺すときも歌やセリフがあるわけでもないし、尖った声を聞くシーンがほんとになかったのかも。

というか彼に限らずカンパニー全体的に、幻想的なシーンとか抽象的なシーンの表現(主にダンスになるかな)のほうがしっくりくるものがあって、怒りとか熱っぽいシーンは少し形式化して見えたかな。
トニーについては、マリアが死んだという嘘を聞いて自暴自棄になっているところなんかは、悲しみ先行だから角がなくても悲壮さがあってそれはそれで良かった。

マリアといえば、Jenna Burnsは声が出てないわけではないんだけどビブラートが細かくて個人的にはあまり耳心地の良い声には聴こえなかった。
それよりも!ロザリアを演じていたNatalie Ballengerの声のきれいなこときれいなこと。

ちゃんと彼女の声だと識別して聴いていたのはAmericaくらいだったけど、あんまりきれいで美しい声だからもっと歌ってほしいなと思ってしまった。
ロザリアという役という観点でみればもう少しとぼけたファニーボイスが良さそうだけど、私は彼女の声がとても素敵だということを知れただけで幸せって思う。

そして彼女と知らずに聴いていたSomewhere(調べて知ったけど、この曲を歌う人は舞台に居ないというのがもともとスタンダードとして決まってるらしい)。
幻想的な演出とあいまってほんとに感動てしまった。

陳腐な言い方をすれば、尊くて浄化されそうな歌声。
聖歌みたいにストレートでも響いてこないし、あまり個人の個性が出るのもたどり着けないユートピア感に欠ける。
嬉しいのでも悲しいのでもなく祈りの歌として聴こえてきて、涙が出ないわけはなかった。
彼女はオペラもやっているみたいなので、それゆえこのさじ加減ができるのかなと感嘆した。

印象的なのは以上ふたり。
他キャストも少し触れると、アニタを演じたKeely Beirneは歌とダンスのバランスがだれよりも良かったと思う。
激しいダンスも見ごたえがあったし、歌も音域が合っていて、特にA Boy Like Thatは女として/姉としての彼女の心情が存分に表現されていたと思う。

エニボディかわいかったし、オレンジやカーキ、イエローのドレスもよく似合って素敵だったので全体的に目が幸せだったのはジェット側。
ただ男性陣はリフがダンサー寄りだけど歌もいけるかな、と思ったくらいで他に特筆した感想は思い出せない。
シャークス側はプエルトリコなまり(すごくRを巻く、あとLをはっきり発音する)がよくわかる話し方・歌い方で、英語で見るからこそ活かされる部分だなと思う。

キャストボードがなくて細かい配役がわからないし英語サイトも見当たらない、と思っていたら、あったわ英語サイト。
ドメインがドイツのだからスルーしてしまっていた。
http://en.westsidestory.de/

ここに載ってるキャストがどれくらいの頻度で更新されてくかわからないので、私が観たであろうキャストを一応テキストに残します。

Tony:Kevin Hack
Maria:Jenna Burns
Anita:Keely Beirne
Riff:Lance Hayes
Bernard:Waldemar Quinones-Villanueva
Doc:Dennis Holland
Lt.Shrank:Michael Scott
Officer Krupke:Kenn Christopher

【Jets】
Glad Hand | Resident Director:Eric Rolland
Action:Joe Bigelow
A-Rab:RYAN P. CYR
Baby John:Daniel Russell
Snow Boy:Logan Scott Mitchell
Big Deal:Andy Frank
Diesel:Kyle Weiler
Graziella:Lauren Guerra
Velma:Jill Gittleman
Minnie:Carley Ingold
Clarice:Veronica Fiaoni
Anybody:Natalia Sanchez

【Sharks】
Chino:Julio Catano-Yee
Pepe:Cameron Mitchell Jackson
Luis:Georgios Maniadis Metaxas
Anxious: Nahum McLean
Nibbles:Jonathan Quigley
Moose : A. J. Lockhart
Rosalia:Natalie Ballenger
Consuelo:Kelsey Elisabeth Holley
Francisca:Kayla Moniz
Teresita: Lauren Soto
Margarita:Nikki Croker
Swing:Nick Raynor
Swing: Kelly Methven