Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

待ち焦がれていたDefying Gravity:ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ 9/9公演

みんな大好き!(だと思うけど正直みんなとかどうでもよくてとにかく私が大好き!)なWillemijn Verkaikが昨年に続き2度目の来日!
昨年は旅行に行ってて日本にいなかったためみすみす逃した貴重な機会、今回は逃すまいと、早々にチケット手に入れたのでした。
ブロードウェイさながらの歌とダンスを堪能する、みたいな感じのコンセプトのミュージカルコンサート。
ブロードウェイの新作「バンドスタンド」に携わったマーク・スチュアートが演出・振付を担当したこともポイントらしい。


Bunkamura東急シアターオーブ ワールド・ミュージカル・コンサート「ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ」スポット映像

会場はシアターオーブ、3階に座ったことがないので実験的に3階バルコニーで観劇。
視界は良好、席もボックスでのびのびできるのは良かったところ。
いまいちだったのは、天井に近く音が拡散するせいか、お風呂エコー的な感じがしてすこし輪郭がぼやけて聴こえたところ。
まあでも2階の音の籠り(というか、「音が頭の上をすり抜けていく感じ」)に比べたら解放感があってマシかと。
結局、1階S席、および2階S席前方(3階席がかぶらないところ)が良い音響なんでしょう。

9/9(月祝)の千秋楽公演、出演者は以下。
配布されたセトりにのっとり、基本的にはあっさり、局所的にしっかり感想書き残します。


シンガー
EARL CARPENTER(アール・カーペンター)
SIOBHAN DILLON(シボーン・ディロン)
WILLEMIJN VERKAIK(ウィレマイン・フェルカイック)
ERIC KUNZE(エリック・クーンジー)
龍 真咲(りゅう まさき)※日替わりゲスト

ダンサー MARK STUART DANCE THEATRE
JAIME VERAZIN(ジェイミー・ヴェレイジン)
MICHELLE CAMAYA(ミシェル・カマヤ)
DANIEL GAYMON(ダニエル・ゲイモン)
COLBY LINDEMAN(コルビー・リンデマン)


第1部
■Waving Through A Window(エリック)
先述のお風呂エコー問題、およびおさえめの声で始まる曲ゆえ盛り上がりについて行けず。
高いところも楽々出るような軽やかな声で、時々上がりすぎてるかな?というくらいアッパーは高そう。
Dear Evan Hansenは観たことがなくて前日予習にYouTubeで聴いただけだけど、もう少し若くて清涼感ある声の人でもいいかな?
エリックも良かったのだけど、SNSで得た情報的に若くはないと思われたので(3階からではよく見えなくてわからず)。

■New York, New York(アール、エリック)
アールが出てきてエリックと一緒に。
これもお風呂エコー問題か、単に二人のタイミングが微妙にずれていたのか、音の粒が微妙にバラバラで少し歌詞が聞き取りづらかった。
でもやっぱりYouTubeで予習しておいたから、ニューヨークに来ての高揚とした感じなんかは遠目でもわかった。
アールはマカオのスリーファントムで観たときのほうがジェントルマンな見た目に声だったので、今回はその時と比べるとかなりおちゃめな役回り。

■On Broadway(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
女性陣も出てきて安定感のあるハーモニーで披露。
Smokey Joe's Cafeの曲としてセトリには載ってるけど、私にとっては8月に観た「ビューティフル」の中のナンバーという印象。
ビューティフルでは男性だけで歌っていたので、オクターブ離して男性と女性が歌ってもちぐはぐしないんだぁという素朴な感嘆があったり。

■Big Spender(シボーン、ウィレマイン)
車のCM?とにかく何かのCMでよく聴く曲。
二人ともセクシー、そして急にある短いサビですかさずぶっ放すような声量で歌う迫力。

■Don't Stop Believin(ウィレマイン、エリック)←エリックかアールか自信なし
調べたら、Journeyというバンドの曲?
たぶん日常生活のどこかでふつうに耳にしたことのある曲、いい声だなぁと思ったくらいで少し印象に乏しい。

■Anything Goes(シボーン)←他の人もいたかも
ビックバンドしかり、外タレの来日コンサートしかり、よく聴くナンバー。
シボーンのハリがある若々しい声と、ぴしっと当ててくる高音が気持ちよかった。

■Ease on Down The Road(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
「Wiz」の曲らしいけど初めて聴いたように思う。
シボーンの高くて少し少女っぽさがあるハイトーンボイスはこの曲が一番印象に残っていて、ウィレマインの声に角が少ないこともあって、一番よく聴こえてきた声だった。
よくわからないけど楽しかったなぁ。

■Beyond The Sea(アール)
ごめんなさい、「Beyond The Sea」という歌詞が出てきてそのまんなだなーと思ったことしか思い出せない。

■El Tango de Roxanne
ダンサーによるタンゴタイム、当たり前だけど男女ともにとても妖艶なダンス。
これもYouTubeで予習していたので、ムーランルージュみたいに歌があったらもっと嬉しかったかな。

■I Will Always Love You(ウィレマイン)
ホイットニー以外にこの曲歌いこなせる人いるのかなと思ってたけど、ごろごろいるものだね。
ウィレマインも良かったし、前に新妻聖子さんがフリーライブで歌ってるのも聴いたけどけっこう好きな感じだった。

■Bye Bye Blackbird(シボーン)
いろんな声が出せるからゆえなのだろうけど、シボーンの持ち味を生かすというよりは、曲ありきでたまたまシボーンが歌っている感じ。
可愛らしかったけど、ソロでドカンとするやつがあっても良かったかなぁ。

■Steal Your Rock'n'Roll(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
■Lullaby of Broadway(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
知らない曲だと急に記憶が曖昧に…それにしても、1部は45分とはいえずいぶんあっさりした印象だった。


第2部
■It Don't Mean a Thing(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
華やかな2部幕開け。ここからいくつか好きな作品を歌っていくとアールからコメント。

■Too Much in Love to Care(アール、シボーン)
サンセット大通りは観たこともなければ登場人物もあらすじも知らないんだけど、これがもうとても素敵で!
シボーンは声色の調整が上手だなと1部でも思ったけど、この曲でも「高音なのに押し当てず音量キープでソフトに情緒たっぷり歌う」というスゴ技を披露。
アールも声がやや負け気味だったけど、くらいつくくらいがちょうどいい二人の音量バランスで、デュエットとしては今日1番のお気に入りだった。

■Nichts, Nichts, Gar Nichts(ウィレマイン)
ドイツ語で歌唱、ここまでの英語と音の響きが全然違うことに当たり前ながらハッとした。
エリザベート観たことないながら一応知っている曲「わたーしだーけにー♪」はやってくれないの~と思ったけれど、こちらのほうがレアそうだし嬉しい。
すごく不安そうに心もとなさそうに歌うところから、迷いを振り切るように力強く言い聞かせる歌声は、すごくクレバーなエリザベート像を連想させる(観たことないから、ただの想像)。
ラストの、オクターブ上げを器用にやってのけるのは、やはり彼女の技量の高さを物語っていると思う。

■Tonight(龍、エリック)
■Journey to the Past(龍)
他の方があまりにも実力者だというのは多分にあるのだろうけど、発音は棚上げしてもやはり声が全然違う…(アニメ声っぽかった)。
他の方と比較しなければある意味可愛らしい声だったので、この声で宝塚の男役をやっていたわけではないだろうけど、男役が想像つかなかった。
トゥナイトはシボーンとやってくれたらもっとうっとりするようなハーモニーが聴けただろうし、アナスタシアは意外と派手な曲じゃないから、歌い映えさせるのが難しそうだなと思った。

■Standard Time
だれが歌ったかも思い出せないほど記憶の彼方。

■Why God, Why(エリック)
ここから持ち歌コーナー、ミスサイゴンは観たことないけどこの曲は何回も聴いたことがある。
やはりこの手前でも思ったように、軽やかに高音が出る反面、若干上がりすぎるところが惜しかった。
レミゼサイゴンは作曲者が同じだし、音楽的な美しさはどこか共通するところがある気がする。

■Cabaret(シボーン)
キャバレーのサリーはクレイジーだけど、演じてきたどの役よりも好きなので、という選曲。
歌いこなしからしてかなり余裕のある感じ。
彼女の持ち役はそういうものが多いのか、少なくとも今回はあまり歌い上げる曲が聴けなかったのが残念なくらい。
ストレートでハリがある、でも少女らしい響きもセクシーな女性も垣間見える素敵な声。

■Stars(アール)
うーん、マカオで観たときのほうが声の調子が良かったような。
外したり声が出なかったりということではなかったんだけど、彼ならもっとやってくれるのでは、という期待が高すぎたのかも。
でも一本筋が通ってそれにしがみつくかのごとくぶれないように歌う様からは、ジャベールっぽさを感じた。

■Defying Gravity(ウィレマイン)
会場全体が待っていた感がすごいこの曲、私も超待ってた。笑
前奏が始まりポロリ、歌い進んでいくうちにまたポロリ、ラストサビおよびシャウトでは口をへの字に結んでしまうくらい涙が出た。
聴きたかった彼女のDefying Gravityがやっと聴けた感動と、やっぱり安定感ある歌唱への感動、Wickedが好きすぎる~!というどうしようもなく言葉にならない気持ちの動きによる涙などなど。

声そのものはシボーンとかのほうがよく通って突き抜ける感があるのだけど、やはり彼女は歌の展開のもっていき方がほんとに巧みだった。
エルフィーが自分に言い聞かせるように飛び立つことを決めるところ、飛び立って民衆を圧倒し宣戦布告をするラスト直前、そして独特のリフで締めくくるラスト。
この歌い回しは彼女にしかできないし、唯一無二で美しくてクレバーで孤独なエルフィーが渋谷に降臨したのだった。

■Time of My Life(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
本編ラスト、なのにもう覚えてない。


アンコール
■Burnig Love(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
■Conga(アール、シボーン、ウィレマイン、エリック)
とりあえず、みんな楽しそう、ここまでくるともう誰の声が今どこだとかあまり考えず手拍子。


超淡泊な感想メモに見えると思いますが、特にウィレマインとシボーンの歌は本当に素晴らしかった。
ノーマークだったシボーンの声がかなり私好みであることが判明したので、これからウォッチしたいところ。
コンサートはこういうのがあるから、思いがけない収穫があるから、楽しいなって思う。