Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

大きくてクラシカルなシアターで観る醍醐味が詰まってる!:42nd Street 8/25@Theatre Loyal Druly Lane

これ、書きかけで置きっぱなしになっていた!歌ではなくタップダンスがメインの作品なのでダンス経験のない私には見たことを書き表すのが難しい&さすがにもうことこまかなことは覚えていない…。とはいえこの滞在で一番「あー王道のミュージカル観た!」という満足感を得たことは間違いないので、今更ながらささやかながらup。

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2018年夏のロンドン3泊5日弾丸旅行。1晩に1本見る感じで3つ観賞。最後はコチラ、42nd Street!ロンドンラストの夜を飾るにふさわしい、ハッピーでゴージャスな作品だった。


42nd Street on ITV's Tonight at the London Palladium

たしか去年のウエストエンドでのオープンくらいからYouTubeで動画を見つけてて、こんなに華やかなタップダンスは一度観てみたい!と思っていた作品。とにかく冒頭のAuditionのシーンが好きだし、ラストのブロードウェイ作品の電光看板がたくさんぶら下がる中でのダンスも大好き。珍しく音楽二の次でタップダンスに魅了されちゃった珍しいパターン。

これも事前にネットでチケットとっていて、グランドサークル前から2列め、ちょっと視界に手摺が入るゆえのお値打ち価格35ポンド。大きい劇場なので出演者の表情を肉眼で捉えるのは微妙だけど、この作品はダンスや全体のフォーメーションが楽しめれば◎だったので、私にとってはとてもいい席だった。

さて、以下つたない感想いきます。あらすじはWikipediaでお願いしますすみません。

まずタイトルにも入れたけど、豪華なシアターと古き良きJazzyな楽曲がとてもマッチしていて、とにかくその雰囲気がとても楽しかった。前々日にキンキーブーツ、前日にウィキッドを観ていたけど、音響も一番良かった印象。何が違ったかなと思うと、おそらく「生っぽい音」に聴こえたなと。サックス、ラッパ、ドラムスなどビックバンドの生バンド感が、そのまま音としてグランドサークルまでいい意味でふわっと上がってきた感じ。ティンパニがいると奥行きが出ていいなぁと。

タップダンスはどうしてもタップチップの音をマイクが拾う関係でバンドほど生音感はさすがになくて音は鋭め。どうせマイク通すならもう少し角のとれた音に調整していただけたら耳にやさしかったかも。人の歌声は生音感も機械音感もなく、聴きやすかったかな。みんなあのダンスしながらなぜ歌えるのか、ダンスも歌も素人の私からしたらとっても不思議な偉業。

あとこれはこのカンパニーに限らずこの作品をやればある程度みんなこなすことだとは思うけど、趣向をこらした演出や装置、ダンスの見せ方がおもしろかった。舞台上部から鏡のような装置が下りてきて、舞台上で横になりシンクロのようにダンスをするダンサーたちを映して万華鏡のようにしていたり(42nd Streetの映画で取り入れられた「バークリーショット」というらしい、その後のミュージカル映画に取り入れられるようになるほどスタンダードになったんだとか)。「Honeymoon Express(ハネムーンエクスプレス)」という名をつけた列車に乗っているように見立てて、小窓全てに配されたキャストが歌や振付やリアクションをしたり。

キャストについての感想は…、登場人物多すぎて本当にメインのキャストしか追いつかなかったというのが正直なところ。男性キャストにはあまり特別感想がないかも。。どうしても華やかなダンスも華やかな衣装も、女性のほうが目立つ作品だと思うので。

この人良かった!と思ったのは、ドロシー役の方。ステフ・ペリーさんでいいのかしら?ドロシーは美人でベテランで実力はあるけど旬は過ぎていて…という感じがちゃんと伝わってきて、「困ったプリマドンナだな」というのに納得感があった。歌もダンスもできて、だけどわがままな感じ。

終盤ペギーに親切にアドバイスするところなんかは唐突にも感じたけど、これは演じ方じゃなくてそもそもの脚本がそういう流れになっているからだなと思った。そんな流れを、過剰すぎず適度にやさしくなったドロシーといった感じで演じていて、「この大味(悪い意味ではないです)の世界観のキャラクターなら若干唐突なリアクションをしてもまあおかしくないな」と思わせてくれた。最初から最後まできちんと大御所感があり説得力ばっちり。

あとは、ペギーの見方になってくれるコーラスガールたちの筆頭、おそらくキャストリストだとアニーとして表記されてる方。エマ・カフリーさんかな。冒頭のオーディションの場面での我が強い感じ、でもペギーの実力と人柄を認めてくれて助けてくれる感じ、どれも絶妙で、かなり目を引かれた。個性あるキャラクターとしての存在感があった。この作品は歌もダンスもできる人でないと厳しい役ばかりだと思うけど、メインキャストよりはアンサンブルに近いダンス量をこなしながら歌うのはこの人が一番大変なんじゃないかなと思った。

ひとつ誤算だったのは、主役のペギーがアンダーだったこと。読み方合ってるか不明だけど、ハンナ・フェイス・マランさん?タップダンスに詳しいわけではないのでたまたまそう聞こえただけかもしれないけど、タップチップの音がちょっとクリアじゃないような気がした。タイミングというかステップが時々ずれて聴こえた箇所もあったような。ただ、お顔は若々しくスタイル的にもすらりと可憐な感じで、田舎から出てきたうら若い娘という風貌にぴったりだったのはとても良かった。YouTubeみてると本役の方のほうがわりとお顔が大人っぽいし、がっつりタップを踊るせいかどちらかというと筋肉質でしっかりして見える。

キャストについては調べれば調べられたかもなんだけど、「登場人物多すぎてどの人がメインキャストでどの人がアンダーか調べてる暇がないや」「一番人気で盛り上がる土曜の夜公演を観にいけばアンダー率低いでしょ」と踏んだのが甘かった。まあでも初見だし作品もダンスも詳しくないから、ビジュアル的に好みのハンナさんで結果的に良かったかも。

今回全然歌とか音楽のことがほとんど書けてないけど、そのあたりはYouTubeで補完ということで。。笑


少し前に韓国でも韓国人キャストでこの作品を上演してたみたいだけど、イメージ的にこの作品は欧米系のダイナミックなパフォーマンスで観たいかも。歌やダンスがいくらうまくても、どうしてもパッと見たときのしっくり感は超えられない壁がある気がする。

いやしかしロンドンでやってたの観られて本当に良かった。ロンドンは来年初頭にクローズのようだけど、ツアーとか回らないのかしら?来日したら2回くらいは観るし友人知人にも宣伝するので、ぜひお越しくださいお待ちしております。笑


Cast List
Dorothy Brock:Steph Parry
Julian Marsh:Tom Lister
Peggy Sawyer:Hanna-Faith Marram
Billy Lawor:Ashley Day
Maggie Jones:Jasna Ivir
Bert Barry:Christopher Howell
Part Denning:Matther Goodgame
Andy Lee:Graeme Henderson
Abner Dillon:Bruce Montague
Mac / Doc / Thug:Thomas Audibert
Annie:Emma Caffrey
Phyllis:Clare Rickard
Lorraine:Ella Martine
Oscar:Paul Knight