Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

どうか素敵なクリスマスを:海宝直人 in concert

ここしばらくミュージカルもライブも行ってなくて、だからけっこうワクワクして行ったコンサート。夏のバースデーコンサート以来かな?久しぶりに海宝さんの生歌を聴いてきた。

全体感としては、もちろん相変わらず素晴らしい歌唱力。そして表情が見えていたわけじゃないけど、とても楽しそうに歌ってた印象。ただ、(私の好みの)高音域が少なめだったなあというのと、ちょっとした音の端々の輪郭の曖昧さを感じたような気もした。一昨日まで風邪で壊していた私の耳で聴いてたからかも。

あと、上記を抜きにしてもなんかまた声の感じが変わっていきそうな気がした。よりマチュアに、深くなっていきそうな。少し青さの残る声が好きだから、切ねぇ、切ねぇです…でもやっぱりお歌素晴らしいからこれからも聴きます。

以下、Twitterで拝見したセトリを参考に見ながら感想を。
※「こう歌ってた」じゃなくて「こう聴こえた」なので、あしからず。


・Heaven on Their Minds
ジーザスのダークなメロディラインをモチーフにしたオーバーチュアからスタート。ロックのライブ始まるのかしらと思うくらい不穏でちょっとびっくり。ジーザス~をみたことないせいか前回も今回も実はあまりピンときていない曲。会場の歓迎はすごかった。

・Waving Through a Window
ぜひ聴いてみたい!と前々から思ってたから前奏始まったところでテンションup。ただこれが思ったような声を使っていなかったので少し意外だった。若さ、もろさ、不安さ、みたいなものを高くて細くて切実な声で歌ってほしかったというか。私はベンプラットの音源になれてたからそういう歌を聴きたかったのだけど、今回はそういう線形の声は使わず面で押していくスタイルだったように感じた。海宝さんに出せない音はないに等しいと思ってるので、これがオリジナリティというやつなのかな。

・Postman Medley
ストーリー説明にもメドレー自体にも時間を割いてた感じで、彼にとって大切な作品なんだなというのがわかる。パウロ?パオロ??のインスピレーションの曲(ポストマンの曲、どれもタイトルわからないのでざっくり)は開放的で、ソフィアの未完成の絵の曲は落ち着きとやさしさがあった。一人で全てを歌っても破綻がないというか、どのキャラクターも当たり前に描き出されたのがすごい。ただこれも細い声を使わず面積広めの声での歌唱だったので、個人的な好みだとYouTubeで聴ける水野貴以さんの弦をしなやかにこするような高音のほうが好き。

・Til I Hear You sing(日本語歌唱だけど邦題失念)
The Phantom of the Opera
ラブネバーダイズ観たことないのだけど、ファントムは今日の海宝さん(高めの音域を鋭く出さない、比較的中低音域をたっぷり鳴らす)の歌い方だととってもハマっていて素敵。しっかり聴かせつつ、ファントムの苦悩も見えた気がして、出演しているのを観てみたくなった。オペラ座の怪人はバイオリンとデュエットしていてクリスティーヌのソプラノまで出ていてすごかったけど、これが「歌う」じゃなくて「音を出す」に感じた曲。

なんかジーザスとかファントムとか、発声のレベルが理解の範疇を越えている~と思った。それゆえか、「地声に近い音量で高い音を出す」ことがゴールに見えて「歌」には感じなかった。ソプラノボイスを皆さん楽しまれていたようだけど、私には「歌ってる」感じにはきこえなくて「ビブラートが激しい高音」に感じて耳がつかれたかなぁ。やっぱり病み上がりで耳が敏感だったせいかも。そうそう、外タレさんて直線的に伸ばした後に声を揺らしていくけど、海宝さんは最初から声の揺らしを入れてる。

・Poland Medley
・愛の賛歌
・I’m here
ポーランド語が難しそうということだけわかった…難しかった笑。愛の賛歌がとてもやさしくて包容力のある深い歌声で素晴らしかった。これが一番感動したかもしれない。声音としてはチェロのようなバスクラリネットみたいな、ゆったりとした響きで息しっかり。I’m hereは昨年4starsでシンシアエリヴォ本人を聴いてしまったので、あの音調と力強さで歌ってもらわないとピンとこなくなってしまったという贅沢な悩みに気づいた。我ながら贅沢すぎる。


・Aladdin Medley
・Santa Fe
ここから2部。カジモドしか観れていないので、なにげにOne Jumpがチラ聴きできてよかった。理想の息子を聴きながらなんとなーく会場見渡しながら思ったのは、海宝さんはだれからも愛されるみんなの「proud of your boy」なんだなってこと。ただ、アラジンにしては少し素直さが影を潜めて地が飛び出ているような気がした今日でした。Santa Feは夏もやっていたなと。耳触りのいい歌い出しからの美声大放出。

・クリスマスメドレー
・陽ざしの中へ
・いつか
クリスマスメドレーはおしゃれ。歌い方のtasteは少し濃いめ?発音良すぎるゆえそう感じたのかも。そして陽ざしの中へ、いつか、ともにノートルダムから。歌い込んでいるからというのもあるし初めて観た作品だからというのもあると思うけど、やっぱり私はこの人のカジモトに心奪われるなぁと。感情移入がすごく、さながら本公演のような心の萎縮と解放があった。抑圧された心を表す声音や、溢れ出て吐露するどうしようもなさに、ぐっときた。いつかは、カジモドが歌ってると思ったらもう平木さんのソプラノボイスでフロリカ流してほしくなる。笑

・Sheridan Square
もともとはピアノアレンジのみだったSheridan Square、それだけでも十分素敵。それをさらにオーケストラアレンジにしてしまう、しかもまとまりがあって美しいという。森さんって指揮もピアノもアレンジもできるし、なんとはなしにいつもサポートメンバーとしているけど、毎回この人の演奏もっと聴きたいと思う。歌については、やさしくて、そばにいる友達を話しかけるように歌って見えた気がした。

・December 1963
ジャージーも観てないのだけど、オーディエンスの盛り上がりすごかった。確かになんだか楽しくなるね。ただ、What a nightの最高音の正解がよくわからなくて、どうも違和感あったかな?

・Gethsemane
・Christmas is My Favorite Time of the Year
アンコールはこのふたつ。ゲッセマネジーザスのくだりで触れた通り。観たことないしキリスト教の素養がないのでどうしても感想に乏しい…。あとどうしてだろう、シャウトの声は確かに出ているのに、これも歌に聴こえず音に聴こえた。クリスマス~はアバグネイルJr.とハンラティ、どっちも浮かんで微笑ましかった。Catch Me~、アーロントヴェイトがやっていたYouTubeみたことある。海宝さんできそうだなぁ。


私の耳の調子ゆえ?、少し不思議な声や音や楽器の聴こえ方だったかも。声量豊富すぎてもうちょっとマイクの音量下げてと思ったくらい笑。ご本人楽しそうだったし歌わずにはいられない性質なのだろうけど、たまにはお休みしないのかなぁ。勝手に私の想像した歌い回しじゃないところがあったというだけなんだけど、私だったらあんなにずっと活動していたら擦り切れそう。笑

日夜歌い演じて素晴らしいものをみせてもらえることに感謝をこめて、どうか素敵なクリスマスを!