Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

日本語でミュージカルを観ていると昼ドラに見えてくる話

ミュージカルはここ数年で興味を持つようになって、まだ全然作品数は観てない。
今まで観たことがあるのはこんな感じ。
見た作品・時系列順のつもりだけどざっくり、かつ抜けてるのもあるかも。

☆big ~夢はかなう~:1999年頃東京1回
★Wicked(ウィキッド):2013年ロンドン2回、2013~2014年東京4回、2014年シドニー1回、2016年ロンドン1回
★les miserables(レ・ミゼラブル):2013年ロンドン1回、2017年東京1回
★マンマミーア:2014年東京1回
★リトルマーメイド:2015年東京1回、2017年東京1回
☆PIPPIN:2015年東京来日公演1回
The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人):2016年ロンドン1回
ノートルダムの鐘:2017年東京4回
☆パレード:2017年東京1回
West Side Story:2017年東京来日公演1回

bigの頃は完全に子どもだったので「なんか舞台装置こわい」みたいなことを思った記憶しかないけど。
これらのうち、☆は一言語しか知らないもの、★は日本語と英語どちらも知ってるもの。
日英知ってるのは同作品を国内外で観たのもあれば、ディズニーなんかはアニメで英語版知ってたり。
その★のものたちについて、当たり前だけど日本語だと全然重さや軽さが違うなと思うわけです。

Wickedはよく考えたら男女三角関係とか浮気でできた子とか、なかなか清々しくない要素もある。
※原作はもっとアレらしい。
でもロンドンで観たときは、ただただ音楽が好きで観ていてそんなの気にならなかった。

それが日本で観てみたら、なんだか三角関係はより昼ドラ的に、そして出生の悲惨さが増し増しに、「おしん」とか大河みたいに感じた。
母国語だからそう思えるというのもあるし、やっぱり日本語になると音数が減って英語のスムースさとは違うっていうのもあるかと。
いやー、とにかく日本で初めてWicked観たときはほんとに別物に見えて驚いた。
英語で観るより重たく感じるので日本語の方が観ると疲れるような気がする。

あとレミゼとかオペラ座はWickedより歴史が長い作品なせいか、単純に歌詞やセリフが古風だなというのも感じる。
カタイ感じでなんともいえないもやもや、ちょっと歌舞伎や演歌を聴いてるような感覚になる。
まあオペラ座は曲調がべたっとした感じがするのも一因かも。
ALW作品はコンサートとかで聴くときれいだなと思うけど、作品の中で聴くと個人的にはすごい「演歌感」があって、オペラ座もそうだしチラ聴きしたことあるジーザスもそう感じる不思議。

あとこれはALWではないけど、マンマミーアのThe Winner Takes It All(「勝者が全てを」)はある意味衝撃的だった。
細かく覚えてないけど「あなたは勝ち」っていうとにかく直訳的な表現だなぁというところばかりが気になって。
かといって1回しか観てないからこう訳してほしい!ってのもないんだけど。
しかもそのときのドナ女優さんがまた直線的に投げつけるように歌うので、直訳×直球で飛んできた。
乱暴な豪速球に思えて全力で避けてしまった…。

一方で、それらより新しいせいかディズニー系はそういう違和感はさほど多くない。
まあ全体的に、韻の良さは原語に勝るものはないけど。
それは置いておいたとして、日本語のほうが好きだなって箇所もそれなりにある。

(引き出し少なくて申し訳ないけど)ノートルダムのフィナーレのフィーバスのソロ直前「人々に戦うよう、呼びかけた!」とか。
最後三連符が民衆の鼓舞に拍車をかける感じがする。
ここ英語はなんて言ってるかな…。
逆に近いところで英語のほうが好きな部分は、フィーバスの「Someday comes right now!」とか。
日本語だと「正義のために!」の「に」でぶつ切りになるところが、「Now」なら二音だからぶつ切り感が緩和される。

あとは、英語だといいのは移民の訛りが表現できるところ。
こないだ観たWest Side Storyプエルトリコ勢が巻き舌強い英語を話していて、「よくわからないけど標準語じゃないしなんとなくラテン出身なんだろうな」と汲み取れた。
日本でこれを方言とかで代用すると都会と田舎の対比になっちゃいそうだけどどうしてるのだろう。
地域差ではなく国籍の差異を示唆するのも、日本語版は難しいんじゃないかな。

いろいろ書いてるけど、日本語ミュージカル否定したいというわけでは全然ない。
ただ、私の耳にはかなり違うものに聴こえるのですというだけの話でした。