Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

際限なく広がる可能性をひしひしと:海宝直人Birthday Live 2018 Home My Home in ICHIKAWA

書きながら思ったんだけど、タイトル長いなぁ。笑

東京公演は平日で行けないので、千葉の市川まで行ってきた。海宝さんの地元だそう。行き慣れないせいかけっこう遠いなぁと思った。あと会場がわりと住宅地にあって、そんな規模感のところでウエストエンド帰りの人がコンサートやるなんて不思議な感じ。

そんな海宝さん、ちょっとお疲れがにじみ出ていたような。私の中で音を外さないことに絶対の信頼があるんだけど、第1部の前半までは全体的にピッチが低くて、細かい上がり下がりでも音がピタッと当たらないことが何回か。MCでも度々噛んでいたり、歌詞が危うかったり間違えたり。ソロコンサート初めてだったからこれが通常運転なのかもだけど。

私が見てきた数回の海宝さんがパーフェクト過ぎたので、今回はそう見えなかった、という感じ。疲れなのか、ご本人仰るように時差ボケなのか、あるいはずっとひと月英語圏にいたから英語と日本語がミックスしちゃうのか。集中したくてもしきれてないんじゃないかな、と勝手に心配してた。

そういうことに気をとられていたせいか、涙が出るほど何か感じ入るような曲はなかったけど、インタビューに載ってたここしばらくの怒濤のスケジュールを見たら、なんだかどうでもいいような気がした。「歌がうまい」という根本的な部分に変わりはなかったから。どの曲も余裕を感じるほどの歌唱力だった!

ここからセトリ。英語歌唱曲は英語タイトル、日本語歌唱曲は日本語タイトルに。


【1部】
・ディズニーメドレー
When You Wish Upon A Star、美女と野獣、サークルオブライフ。もしかしたらもうひとつくらい何か歌ったかも。When Youは緊張してたのかちょっと音の輪郭がぼんやりしていたけど、美女と野獣の低音は落ち着きがあって大人っぽく。

・愛せぬならば
・自慢の息子
どちらもミュージカル系では定番の曲だと思うけど、個人的にそんなに馴染みがなく。でも愛せぬならばって、美女と野獣のテーマ(GFG♭AF♭BG~♪)が入ってるんだ!って気づいてちょっと感動した。あの旋律は威厳があって好き。そしてラストに向けて溢れ出すビーストの気持ちがこちらにもこぼれてくるような、そんな素敵な愛せぬならばだった。自慢の息子は、英語ver.が好きかな。

・カラーオブザウィンド
・Go The Distance
ポカホンタス、ムーランあたりが好きだと音楽センスいいなって思うという個人の感想。女性の曲のほうがやわらかく丁寧に歌われる感じがして素敵だなぁと。Go The Distanceは王道のディズニーヒーローソングって感じで、海宝さんの明るいヒーローボイスによく合ってた。最後の方はちょっとだけ音が上がりきらなかったかな?

・そばにいて
・Santa Fe
そばにいては、フレンズオブディズニーでも聴いたことがあった。あの時も素晴らしかったけど、今回は冒頭の心ここにあらずな声がさらに情感を増していて、そしてラストにたたみかけてくる裏声高音のコントロールもばっちりで、なおよかったなぁと。ただ間奏のバックバンドは危なげだったかな?そういう構成だったのかもだけど素人的にはちょっとハラハラ。Santa FeはNEWSIESの曲だそうで、細かく覚えてないけど、耳触りの良い歌詞だった気がする。

・陽ざしの中へ
・ How Does A Moment Last Forever
陽ざしの中へは拍手が一際大きく、一際長かった。これはどうしても思い出補正が強いので、個人的にはもう劇中と同じくらいの切実感でないと驚かなくなってきてしまった(感覚麻痺してる)。How Does~は大好きな曲!そして先日のセリーヌ来日では披露されなかった曲だから、思わぬコラボでめっちゃ嬉しかった。もうちょい感情的になるか、もしくはやさしくなるか、どっちかに寄ってくれたらもっと個性が出て素敵になりそうだなぁと。また聴けたら嬉しいな。


【2部】
・Heaven on Their Minds
・オンマイオウン
ジーザスの曲は知らなくて、急にエレキがテケテケ鳴らしたと思ったらキラッキラの海宝さんがロックに歌い初めて、ぶったまげるしかなかった。キラキラ衣装は板東玉三郎さんのコンサートのときのものらしい。オンマイオウンは、どこか歌詞が危なかったような。やっぱり頭の中で英語と日本語がミックスしてたのかも。

・ミュージックオブザナイト
・恋はすべてを変える
オペラ座ってストーリーが好きじゃないんだけど、曲はきれいだなぁと毎回思う。若いファントムでありながら、ちょっと大人な魅力も感じる素敵なミュージックオブザナイトだった。恋は~は、ミュージカルミーツシンフォニーで聴いたかな?ラストの高音が高音に聴こえないくらい、高さも長さも余裕の歌唱だったなぁ。

・Electricity
・Till I hear your sing
・Sister Act
ビリーエリオットは観たことないけど、electricityはYouTubeで見たことある。日本語歌詞ではまんま「でんき!」ってなってて驚いたけど、やはり英語ver.が耳触りよい。Till I~、Sister Actはスケール感のある選曲だなぁと。

【アンコール】
・Run away with me
長すぎて覚えられない作品のナンバーだと紹介。細かい意味までは拾えなかったけど、「ここまでついてきてくれて(応援してくれて)ありがとう」の気持ちがつたわる、等身大のお礼に聴こえた。嫌みなほどの謙遜や感謝ではなく、素直に自分がやりたいと思えることに取り組めていることやそれを応援してくれる人がいることのありがたさ、そういったものをナチュラルに心に持ち続けている人なのかなぁと思った。


冒頭いろいろ書いたけど、努力も才能も人柄も、そして時には運も、絶妙に備えてるように見える。ほんとにすごいことだし、こんなに歌のうまい人の存在を知ることができて、しかも何度か生で聴ける機会を得られて、ラッキーだなぁと思う。もっとも、「うまい」の対象は演技とか身のこなしとかもっとたくさんあるんだけど、私にとって最重要ファクタは歌なので、一旦「歌のうまい」という言葉を置いとくだけだけど。

ちなみに今回海宝さん観に行ったわけだけど、MVPはピアノの森さんだなー!編曲もよければ即興もOK、なによりあのピアノの音は至福だった。上品だけど芯のある音で、ずっと聴いていたかった。今度は森さんのピアノをがっつり聴く機会がほしいなぁ。