Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

それぞれのプロフェッショナル集結:Secret Splendour 11/5ソワレ

赤坂ACTシアター、とても久しぶりに行った。
前に行ったのは藤原竜也さんや美波さんが出てたチェーホフの「かもめ」かな。

宝塚を卒業?引退?された早霧せいなさんのコンサート??ショー??に出演する、海宝さんを目的に。
6月のレミゼ以来の海宝さんの生歌だからすごく堪能した。
1階の真ん中よりちょい前の上手ブロックだったんだけど、それなりに近くて見やすかった!
音響も問題なかったしなんなら生演奏もしっかりしてて、ハープやヴァイオリンの弦をつま弾く音が聴こえるって贅沢だなと。


『シークレット・スプレンダー』公開ゲネプロ ☆早霧せいな☆大野幸人/小野妃香里/海宝直人 安寿ミラ

※宝塚全然知らないしセトリもほとんど転がってなかったので、作品名や曲名がわからないの多いです。
「~のやつ」「~みたいなの」多発、あと順番も自信なし。


幕開き、「Hold on I'm coming♪」みたいなコーラスで早霧さん踊りつつ歌唱。
色白で華奢だな~とひたすらに思ってた。
歌がお得意だな~とは思わなかったけど、全編通して音程を外さないので不快感なくてそれはよかった。
息が続かないのかビブラートなのか男役はそういう歌い方なのかわからないけど、伸ばすより短めに、けっこう細かく揺らして音の処理を終える感じ。

そうこうしてるうちに海宝さん!
「She is a lady♪ 彼女と腕組み歩けたら最高♪」的な歌を歌ってて、フラれたら目を白黒させてて芸が細かい。
なんなく歌えてしまう曲らしく、余裕たっぷりの歌唱。
そのうち曲がアップテンポになり軽く踊ったと思ったら、コンテンポラリーダンスみたいな振り付けで早霧さんに寄り添うポーズがあり、なぜか、なぜだか、ちょっと笑いそうになってしまった。
シンガーだと思ってたら急にダンサーっぽくなったからかしら。

みんなはけて、「ジュテーム ジュテーム♪」っていう早霧さんのソロ曲がひとつあって、とっても宝塚っぽい感じ。
それから小野さん、J Kimさん、原田さん、安寿さんがパペットを両手に「双子だもの♪」みたいな可愛らしい曲があって。
小野さん、背が高くて足が長くてスリット入った衣装でとってもスタイル良かった!

J Kimさんがバラードっぽい曲を歌うのをバックに早霧さんと大野さんが踊るナンバーもあり。
J kimさん、この曲だとなんだか声が硬くて少し聴きづらかったけど、調子悪かったのかしら。
その後海宝さんとJ Kimさんが歌、早霧さんと大野さんが切なく踊るナンバーがあり。
「私は風車 あなたが回す♪」と海宝さんとKimさんが互い違いに歌うところがとってもきれいで、Kimさんの抑えたしっとり声にやられた。
歌詞は聴こえるように歌うんだけど、声は鼻に逃して抜けるような音にしてて、これがすごく好きだった。

(海宝さんはこんな連続で出っぱなしじゃなかったから何か抜けてるけど)、次はマイフェアレディのファニーフェイス。
背景に映る早霧さんを見ながら語りかけるように歌ってて、好きなんだなっていう役作りの微笑み加減がまた素敵だった。
衣装はチェックっぽいグレースーツにベレー帽で、ヨーロピアンに見えるような、昭和のサラリーマンにも見えるような…。

I could have danced all nightからダンサーのターンになり、みなさんそれぞれの得意を活かしたダンス披露タイム。
大野さんのダンスが特に素敵なこと!
人間こんなに軽やかに飛べるのね…あんなにしなやかに足が上がるのね…
女性のふわりと軽いダンスでもなく、男性の力強い重みを感じるダンスでもなく、美しくてでも女性ではなくてっていう、中性的なダンスに見えた。

海宝さんはバレエのくるくる回転ターンみたいなのをやろうとしてできなくて「ちきしょー!」って感じで帽子投げて帰ってった。笑
どうして彼をそんなに踊れない枠にしておくのかしら、踊りが得意ではなくても踊れないわけではないのにと思ったけど。
きっと忙しすぎて歌は覚えられてもダンスまで覚えるの時間がないのかもねと。

その後、スペインっぽいダンスを原田さんと大野さん、大野さんと早霧さん、が踊り。
原田さん、手足の先まで使って踊っている感じで、稼働域なんかは大野さんとかのが大きいんだけど、その細やかさに惹かれたなぁ。
早霧さん、安寿さん、小野さん、J Kimさんで「エル アモー♪」みたいな、これもやっぱりスペインぽくて渋めの曲を歌い。
四重奏はきれいだった。

日本っぽいセクション、みんな着物なのに海宝さんだけスーツのまま…着物見たかったな。
竜宮城的な不思議な世界に誘われて、よくわからずちんどん屋みたいな楽器背負わされて上手から下手へはけるという謎の演出も。
丹澤さんがとても背が高くて着物も似合ってて素敵だった。
早霧さんメインで殺陣するシーンで、「早霧さんかっこいいー!」って舞台上で言いまくるお吉ちゃんとお花ちゃんに笑った。

そんなこんなで1幕終わりかな?
どこだったかで早霧さんが「君と過ごした時間が~奇跡が~♪」みたいな曲歌ってていい曲だなと思ったんだけど、どこだったかしら。

2幕、皆さん赤と黒の衣装で現れルパンのセクション。
早霧さんがおどけるルパンをしていて、この方コメディっぽいのもいけるのね~と面白かった。
よく見たら海宝さんもノースリーブの赤衣装だったけど、あっという間にはけていなくなってしまった。残念。
早霧さんと桜木さんが踊るセクションを経て、海宝さんの見せ場の歌に。

キスミーケイトのToo Darn Hot(字幕「Damn」になってたような…見間違い?)、なんといっても曲最後のFからhighFへの歌声のスライドが器用だった!
highFのほうはほんとに声帯を高音用に動かしたなって見えるかのような素晴らしいチューニングだった。
あんなにきれいにあの音までいけるのは海宝さんくらいでは?と思ったけど、中川さんもなんなくやりそう。
あとは「まじでやばい」「無理だ やってられるか」とか、あまり聞かない粗っぽい言葉遣いの歌だったのも斬新。

丹澤さんがサックスで入ってて、イケメンで楽器も歌もダンスもできる人が多いんだな~と。
しかも覚えてるだけでも、彼はアルトサックスもテナーサックスも吹いてた。
サックスなどリード使う系楽器が吹けない私はその多才さがもう意味わからない。笑

それと早霧さんと海宝さんのデュエットでMaybe me baby loves me、「シュドゥバラルベィ シュドゥバラルベィ♪」とスキャットのようなシュワシュワ言ってるように聴こえた。英語かしら。
海宝さん、ハモりの調節も素晴らしいんだよなぁ。
邪魔しない、相手の音量や歌声にあわせてなめらかにそばを伴走する感じ。

そして原田さん、小野さん、J Kimさんのセクシーさ満点のビックスペンダー。
原田さんは踊りもすごいのに少しハスキーな声で歌も味があって、あれこれできてすごいなぁ。
そこに安寿さんを加え、女性4人と海宝さんのDangerous Game。
なかなか聴けない低音ビリビリの海宝さんもとても良かった。
高い音域のほうがお得意かなと思うけど、低い声もしっかりあたっててすごくかっこよかった。
女性陣を意図的に翻弄するというよりは、気づかぬうちに女性陣を引き込んでしまう…って感じの怪しさがあった。
見た目には、声ほどの怪しさはそんなに見えなかったかな?

Dangerous GameでのJ Kimさんの「まるでミステリー」の声がツボ過ぎて、耳に貼り付けておきたい。
そんなJ Kimさん、Into the Woods のNo One Is Aloneもやさしくさとすような、そのまま空気に溶けていきそうな、絶妙な声で歌ってた。
ママはあなたをガイドできないけどそばにいるわ…(意訳)みたいな曲で、あぁうるうる。
Kimさんは抑えてしっとり歌うと高橋真梨子さんみたいな、もしくは竹内まりあさんみたいな声。
張り上げ声よりも個人的には断然こちらのほうが好き。

Brotherhood of Manでは、仲良く歌い踊る男性キャストが可愛らしかった。
ちょっと振り付けがダサいな?と思ったけど、さっきYouTube見に行ったらもともとそういう振り付けにしてあるようだった。失礼しました。
それで、「私も仲間に入れて!」と言う小野さんに続いて、「私も!」と早霧さんもきて「シスターでーす!」とやるくだりが面白かった。

早霧さんが緑のドレスに着替えてOne Night Only歌ったり、Don't Rain On My Paradeも歌ったりしてたけど、どこでやってたかもうわからない。

終盤にさしかかり、安寿さんが「飛び立つつばめよ~♪」みたいな曲を落ち着いた威厳ある表現で歌ってた。
早霧さんが宝塚を巣立ったつばめということかな。
そう思って聴くと、特別ファンじゃないんだけどなんだか感慨深いような気がしてくる。

KimさんがスローテンポでI Will Follow Himをしっとり歌い出し、それを引き継ぐように海宝さんがきれいな高音ファルセットで。
海宝さんの高音で似たようなタイプの曲を歌ってるのを聴いたことがあって、それはMMS2017でのBring Him Home。
その時は音を響かせるような声の出し方、今回は音を少しずつ遠くに置くような声の出し方。
前者は奥行き、後者は飛距離を感じるアプローチに感じて、ほんとに彼の歌には飽きないなぁと。

最後、I Will Follow Himがアップテンポになってみんなで楽しく歌って踊ってはけて。
早霧さんがケセラセラ、これからもそういう構えで進んでいこうじゃない、と歌い。
またみんなを呼び戻してご挨拶をしておしまい、って感じだったかな。


宝塚とか全然見なくて、だから早霧さんも知らなかったし、宝塚では当たり前のネタとか作品とかも知らなくて。
そういう部分で宝塚ファンの人たちが笑ったり喜んだりしてるのに正直ついてけなかった。
そして正直1幕は構成が謎で閉口した(海宝さんの出番も少ないし)。
けど、2幕はまとまりもあるしメジャーなミュージカル曲も多かったし、結果的にけっこう楽しめちゃった。

やっぱり海宝さんの自由自在に声を操る素敵な歌がとても素晴らしいって思ったし、J Kimさんのしっとりボイスの虜になった。
ダンスに疎い私でも思わず見とれるようなダンサーさんばかりで、特に大野さんは目を引いてしょうがなかった。
あと早霧さんがまじめでお茶目で面白い方で、あぁ確かに愛されそうだなぁってほっこりした。

海宝さんが出てなかったら見ることもなかったであろう作品だったけど、珍しい曲や衣装もあって、いやーけっこう楽しかった。
頭から終わりまでまじめな作品を好んで見がちだけど、たまにはこういうのもいいねぇ。

【出演】
早霧せいな

大野幸人/小野妃香里/海宝直人/JKim/丹澤誠二/原田薫/安寿ミラ(特別出演)

笹岡征矢/鮫島拓馬/花岡麻里名/吉田繭

桜木涼介