Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

英語の耳障りの良さは偉大:レ・ミゼラブル 6/3マチネ

国内外でミュージカル観てるけど、どちらかというと海外行ったときドサッと観るタイプで、国内のものを月1くらいで観てるのはここ数ヶ月くらい。

『Les Misérables』 5/25(木)初日カーテンコール

レミゼは映画は何度も、生はロンドンで1度だけ。
というわけで、初めての日本版レミゼかつ初めての帝国劇場。
ロビーに飲み物食べ物がたくさん売ってて、物販も何ヵ所もあって、そういうのがシアターオーブみたいな感じじゃなくて歌舞伎座の地下っぽい感じがして、レトロだなぁと思った。

間近で観るより全体観るのが好きだから、でもB席だとどれくらい遠いのか端なのかこわいから、とA席を選択。
コンビニで発券しないと座席未定方式で、発券してみたら1階最後列であるX列でさすがに落胆。
とはいえ座ってみたらそんなに悪くない。
そこまで遠くてちっちゃいとは思わなかったし、左右端になると横方向の見切れはあるんだろうけど真ん中だから大丈夫だし縦方向の見切れもないし、後ろが壁だから見やすいところに頭動かすのも遠慮要らない。

さて、中身。ダイナミック<お上品にまとまってる感 でありながらも、生オケはやっぱ良い。
たぶんオケのテンポの問題じゃなくて上演時間が決まってるせいだろうとは思うけど、矢継ぎ早に進んでいく感じはちょっと残念だった。
正直余韻に浸る暇なんてないし、なんなら話についていくのがギリギリなところもあった。
あと、英語詞で先に聴いてしまっているせいか、日本語の音の悪さとか訳詞の古風さが何度も気になってしまった。
日本語だと意味が仔細にわかる分、必要以上に伝えようとしていることを言葉として咀嚼してしまうことも「重すぎる」ストーリーに感じる要因かも。
舞台装置は、家のベランダとかいろんなものがすぐせりだしてはすぐ引っ込むので、手が込んでるなぁと。
基本的に舞台が暗くて、人の表情もよく見えなかったし、舞台装置の細かいところも見えなかったけど、たぶん細々色々あったんだろうなという気配はあった。
衣装にはもともとあまり興味がなく詳しくもないので特別感想はなし。

この日のバルジャンは吉原さん。
ハイトーンがわりと出る方みたいで、音程も適度に合わせていて聴きやすくて良かった。
背が高くてかっこいいなと。
ジャベールもやる方のようなので、衣装はそちらのほうがより長身が活かされて素敵かもと想像。
彼のせいではないけど、バルジャンが逃亡してタイトルが映し出されるまでがめっちゃ早かった。
「バルジャンもう逃げたんかいな!」と思った。
全体的に歌にクセがなく歌詞としても聴き取りやすくてありがたかったけど、遠目だったので老いていく様?はよくわからなかった。

ジャベール川口さん。
ジャベールって冷徹さを出そうとすると一本調子になりそうだし、でも自分の正義感におさまってくれないバルジャンに対する苦悩も出さなきゃだし、難しい役なんだなと。
川口さんはきっと歌はうまい方なんじゃないかなと思ったものの、歌詞が聞き取りづらくて少し話を追うのに困った。
下水道のあと、死ぬ前の心情を吐露するあたりはとてもバルジャンに対する苦悩が伝わってきた気がした。
全体的に、融通が利かなくて気難しいジャベールのキャラクターっぽさはわかった。
ジャベールの自殺は映像を駆使してて「なんかすごい」けど「(自殺だとは)なんかよくわからない」という感じだった。
ロンドンで観た演出がどうだったかは忘れたけど今回ほど疑問を覚えた記憶はないので、ここも今回わかりにくかったなと思った箇所かな。

ファンテーヌ、知念さん。
一緒に行った友人と「アイドル?タレント?ふつうにTVとか出てたよね」とキャストボード見ながら懐かしく話した。
すっかりミュージカル女優さんとして活躍されてたんだなぁ。
まず、セリフのような歌い出しですごくきれいな声で感動した!
今回一番「声」そのものにきれいさを感じてハッとしたのは彼女かも。
鈴のような声、風鈴のような、凛とした声。
でもソロナンバーではピッチが上振れて聴こえてなんかしっくりこないのはなぜだろう。
バルジャンに看取られ生き絶えるところでホロリ。
娘を残していく無念さ、娘を育ててもらえると約束してくれて夢のような気持ち、どちらも伝わってきた感じ。

エポニーヌ、昆さん。
美女と野獣の吹き替えですっかり「わかる人にはわかる」人になったみたい。
私はまだ観てないけど。
思っていた以上に小柄な方で、照れ隠しにマリウスに飛びついたりするから可愛らしい女の子くらいに見える。
on my ownは安定感があったのだけど、一幕二幕通してあまり余韻に浸っている時間がないせいか、ちょっとあっさりな気もした。
遠目なので細かい表情は見えなかったけど、マリウスにコゼットへの手紙を託されるときの失望感みたいなものが、がくんと落とされた肩と消えた笑顔で表現されていたように見えて切なかった。

マリウス、海宝さん。
レミゼは音楽好きだけど、マリウスは腹が立つし話は悲しくつらいから…と迷ってたけど、この人の歌が聴きたくてチケット取った。
やっぱり歌がほんとにうまい。
生まれてきてくれたことに感謝したくなっちゃう。
もちろん歌うだけでなくて「演じて歌う」ことが上手なんだと思う。
見た目はいかにも品のある青年、キャラクター的には誠実だけど恋には少し疎い様子があって、とても魅力的。
初めてマリウスに惚れるのが腑に落ちたし、エポニーヌの気持ちに絶妙に気づいてないというのもこのマリウスなら有り得るなと思わせる人柄だった。
コゼットに出会った時点ではへっぴり腰だったりしてちょっとヘタレ感あるのがまたリアル。

コゼット、エポニーヌとの三重唱は意外と印象が薄くて、A Little Fall of RainとEmpty Chairs at Empty Tablesのほうが印象的。
血だらけだ!のあたりの嘆くように歌っているところ、「歌って」いるんだけど、エポニーヌに「喋って」いるように聴こえて、声の演技ってすごいなと。
あと海宝さんはハモリの裏声をすごくきれいに響かせてくれるので耳心地がとても良い。
ずっと革命の名のもとに戦うことが自分事として捉えられてなかったように見えて、エポニーヌが亡くなった後から動きが機敏になってヤケクソに近い感じで戦っているように見えた。
Empty Chairs at Empty Tablesの嘆きと懺悔の入り混じる歌唱は、なんか得意な部類の歌なのかなと。
ただどうしても日本語の違和感があって、「イスとテーブル」の「テーブル」をはっきり言っているのがしっくりこない。
これは海宝さんのせいではないけど。
「ディズニーランド」を「デズニーランド」と言ってるレベルでの違和感。
あと全体的にエポニーヌが「(エ)ッポニーヌ」と聴こえるのだけど、興奮したさまってことなのかな?それとももともとの歌詞かな?

コゼット、生田さん。
レミゼの衣装ってダサいと思うのに可愛かった!
コゼットって邪魔しない程度にそこそこ歌ってくれればいいので、彼女はそれを満たしてくれたしマリウスに惚れられるほどの外見の説得力もあったので良いキャスティングだなぁと。
地声で言えばどちらかというと少年声かなとも思うけれど、裏声になっていけば気にならないし。

エナルディエは駒田さんという方?
キャラクターとしては正しく演じていたんだと思うけど、いかんせんとにかく何を言ってるのか歌ってるのか聴こえなかった。。
マダムは谷口さん、声ににごりが少なくてきれいな声だなと思った。
なので、そのきれいな声でも歌い方と身のふるまいでマダムっぽい独特の雰囲気を出せることがすごいと思った。

アンジョルラス、相葉さん。
正直歌はあまり印象に残っていないけど、スタイルが良くて舞台映えする方だなという印象だった。
ただ、ロンドンで観たようにバリケードの場面で盆が回っていなかったので、彼が台車で運ばれるのが残念で残念で…。
なんだかツボをおさえられずに笑ってもらえないショートコントみたいにも見えた。
ただ一方で、台車で運ばれてるほうが、かっこよくバリケードで死ぬよりもあっけなくて虚しい感じはよく伝わるなとは思った。

そして最後にガブローシュ、島田くん。
正直今回のMVP!めちゃめちゃうまくてびっくり。
歌の音程がちゃんと当たっているし、なんて歌詞だったかとか、何の話か身振り手振りでちゃんとわかる。
キャラクターとしてそんなにふり幅大きい演技が要らないというのもあるかもしれないけど、民衆の中で強がる子どもというのがよく伝わってきた。
ちゃんと子どもらしいんだけど、将軍の死を告げるところなんかはいっちょまえに大人っぽいし、撃たれる最後は等身大の子どもの声に聴こえる。
もう少し大きくなったタイミングで、島田くんがたくさん聴ける作品とか出るようになったらぜひ観たい。

全然まとまらないし、「印象的な音について書く」とか言っておきながら音があまり記憶になくて演技の話を書いてたりするので、気が向いたら追記・修正するかも。
レミゼは曲が良いけどWickedやノートルダムのように何度も観たい!とは少なくとも私は思わないかなぁ。
冒頭にも少し触れたけど、やはり英語詞で作曲された曲は英語詞で歌われるのが一番素直に染み込みやすいなぁと思った。

【キャスト】
ジャン・バルジャン 吉原光夫
ジャベール 川口竜也
ファンテーヌ 知念 里奈
エポニーヌ 昆 夏美
マリウス 海宝 直人
コゼット 生田 絵梨花
テナルディエ 駒田 一
マダム・テナルディエ 谷口ゆうな
アンジョルラス 相葉裕樹
ガブローシュ 島田裕仁