Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

ライブハウスのショーに来たような盛り上がり!:Kinky Boots 8/23@Adelphi Theatre

2018年夏のロンドン3泊5日弾丸旅行。1晩に1本見る感じで3つ観賞。まずはキンキーブーツ。

去年来日公演も日本人キャスト公演もやってたけど、YouTubeで見たシンディローパーの曲がいまいちなじめず行かずじまいだった作品。しかし周りには来日公演やNYで観た人が何人もいて、口を揃えて絶賛するので、すすめられるままにチョイス。


Kinky Boots | West End Live 2018

エストエンド公演は2019年1月でクローズらしい。アデルフィシアターは小さい感じで、それはロンドンの劇場ってどこもそんな感じのところが多いんだけど、ここは特に舞台の横方向の長さが短い気がした。

事前にネットでチケットとっていて、2階ドレスサークルの1列目上手。深く腰かけると若干演者たちの足元が見切れるけど、当日並ばずに済んでほとんど障害物なしでこのビューで40ポンドちょいなら全然OK。
Seat Planというサイト、ロンドンの主要な劇場の座席からの写真をユーザーが投稿するサイトで、かなり役に立った!

感想、なじめなかったシンディローパーの楽曲は生で聴いたら歯切れがよくてすごくテンション上がった!すごく盛り上がる!あちこちでたくさんの拍手や「ヒュー!」「フゥー!」が発生するのもやっぱり海外観劇の醍醐味。さながらローラたちのライブのよう。

衣装は小さいハコで見るせいか意外とゴージャス感や完成度はさほど…という感じ。下町の靴工場の話なので、ローラとエンジェルズ以外は普段着っていうせいもある。セットはEverybody Say~のベルトコンベアが少し変わったセットだったかなというところ。

この作品はとにかくローラがメインなのかなーと思ってたけど、チャーリーが清涼感あるハイトーンやわらかめボイスでとっても好きな声だった!個人的にMatthew James Thomas系かと。

チャーリーの演技については、後述するけどお話自体のテンポがかなり早かった印象なので、伝わりやすい演技には見えなかったかなぁ。私が観た公演はアンダーのジョーダンがやってたから、メインのオリバーだったらまた印象違ったのかも。

もちろんローラの存在感はばっちり。Land of Lola, Sex Is In the Heelはもちろん、Everybody Say Yeah のソウルフル?ゴスペル?な歌い回しもしびれるほどかっこよくて、こういう曲はやっぱり海外キャストの歌で聴きたいなと思った。それからドラァグクイーンゆえ、下ネタ的なものもちりばめれていて、それっぽいことを言うと鳴る「チーン」の音もナイスタイミング。

ただ、2幕のローラソロの場面、大変申し訳ないことに眠くてよく覚えてない…会場の拍手と歓声はあったような気がする。チャーリーのソロも同様、惜しいことをしたけど、到着日の疲れには勝てなかったなぁ。

あと、特にキャラクターとして面白かったのがローレン。演じていたナタリーはエルファバのアンダーだった頃の音源を聴いたことがあって、そのときは高音だけ突然抜けるようなスコーンとした歌声がとっても印象的だった。今回観れて嬉しい。

歌はエルファバをやっていたくらいだから、キンキーで出てくるくらいの高音域なら楽々という感じ。ファニーで強めの声で終始歌い演じていたのがとっても良かった。

エルファバと違ってキンキーのローレンはかなりコメディな役回り。ドライヤーで脇乾かす、恋する様子を歌いながら舌をべろべろetc…。キンキーはロンドンの下町の靴工場という設定だけど、このキャラクターはアメリカンコメディによくいるファニーな女性という感じ。

その他耳触り的に良かったなぁと思うのは、The Most Beautiful Thing in the Worldの子役チャーリーの幼くて可愛らしい声とか、その曲中に大人女性陣が応酬するI Know~。たぶんナタリー以外にも強めのアタックで高音を歌える人が揃っていて、はまり具合がしっくりだった。あとはRaise You Upのハーモニー。

お話の進みとしては、映画で予習してはいたのだけどかなりテンポが早かった。ブーツをつくろうと決めたところ、チャーリーと恋人との亀裂やいつの間にやらのローレンとのくっつきエンドなど、ちょっとついてけなかったな。あと、ローラのボクシングのところも映画にはなかったような。

まあそのあたりは置いておけるくらい、ライブ感覚で歌とダンスが楽しめる、明るく終われるいい作品だと思った。日本人キャスト公演だとどんな感じになるのかな?というのが、今回ウエストエンド公演を見てめっちゃ気になる作品でもありました。

Cast List (in order of appearance)
Mr. Price : David Haydn
Young Charlie : Jude Muir
Young Lora : Samson Wakayu
Simon Snr : Momar Diagne
Nicola : Suzie Mcadam
Charlie Price : Jordan Fox
George : Antony Reed
Don : Sean Needham
Lauren : Natalie Mcqueen
Pat : Rosie Glossop
Harry : Ben Jennings
Lola : Simon-Anthony Rhoden
Angels : Jon Reynolds, Tom Scanlon, Daniel Downing, Jed Berry, Jak Allen-Anderson
Trish : Abbey Addams
Richard Bailey : Jonathan Carlton
Milan Stage Manager : Anna Stolli
Ensemble : Olivia Winterflood, Hannah Price, Christopher Parkinson, Keith Higham

Conductor : Jim Henson

ドキュメンタリー映画を観てる感覚:エビータ 7/27ソワレ

もう来日公演終わってしばらく経ちますけど、みたので一応。シアターオーブにて、ミュージカル エビータ。

エマキングストン演じるエヴァとラミンカリムルー演じるチェは共にストロングボイス系だったからか、歌のうまさがすべて!みたいな印象を受けたかな。タイトルに書いたようにドキュメンタリーを見てるような感覚で、感じ入った感想は書けないなぁ。あらすじ細かく覚えられなかったのでWikipedia拾いながらで。


Evita | International Tour 2018

コンサートとかでDon't Cry for Me ArgentinaとかBuenos Airesとかは聴いたことあったけど、作品として観るのは初めて。仕事終わりに駆け込みの当日券、2階A席。2階S席前方だか中方がごっそり何列か空席になってて、関西の災害で来れなくなった団体さんかなとか思ったり。それ抜きにしても、少なくとも2階はスカスカだった。

開演前、緞帳に描かれている絵を見て、「あぁ、なんかちょっと胸がざわつきそうな作品かも…」と思ったのはあながち間違いではなかった。描かれていたのは、人々の死体の上に立つ軍隊、その上には上流階級の人たち。その後ろに、オレンジと白の太陽の光のような背景(朝日新聞のロゴみたいな感じの模様)。

幕が開いて、エビータの訃報のアナウンスと不協和音なRequiem、不穏な気持ちに。ラミンが現れて歌い出すOh What a Circus、余裕な歌唱で安定感抜群だけど、前から薄々気づいてたO行のこぶし?が強くてそこはあまり好きになれない。

ピピンのときも思ったけど、こういう狂言回しな役というのはどういうのが「うまい」んだろう。「下手だな」と思ったことは今までにないけど「これはうまいなぁ!」と思ったこともない。ピピンのオリジナルのリーディングプレイヤーだったパティーナミラーさえ。

エヴァブエノスアイレスに連れていってと男性歌手にお願いするOn This Night of a Thousand Stars、続くEva, Beware of the City、ビッグになるわと主張するBuenos Airesの流れは、なんだかちょっと冗長な感じがしたような。たぶんスコア的にほんとに(私にとっては)冗長なのと、「連れてってよ」「いややめときなよ」の繰り返しがしっくりくる翻訳になってなかったからかなぁと。Buenos Airesもリピート多いし。

あとなによりずっと変だなって思ったのは、エヴァは自分一人で成り上がっていけそうなくらい強かったこと。これはエマキングストンが歌うますぎゆえとも思うし、どういう役作りが正解とかわからないけど、彼女ならなんでも一人でやれてしまえそうだった。

話を戻して、チェがエヴァ、ペロンの躍進を説明(Goodnight and Thank You, The Lady's Got Potential , The Art of the Possible)。Goodnight~ではエヴァがめっちゃいろんな人と夜を共にしてのぼりつめていく様が面白かった(男達が部屋から出されてどんどん並んでいく)。The Art~は、完全に軍人の椅子取りゲームでそれも面白かった。

チャリティコンサートでペロンに近づくI'd Be
Surprisingly Good For Youも、翻訳のせいか、駆け引きが長くて少し間延びした感が。エヴァもペロンも最後の一押しを相手にさせたいのか、決定打を放たないのがもどかしかった!でもそうと決まったらあっという間に怖い女になってペロンの愛人ミストレスを追い出すあたり、あの強すぎるエヴァならやりかねない。笑

そしてこのミストレスの歌うAnother Suitcase in Another Hallがとっても良くて!ミストレスを演じたのはイザベラジェーン。個人的にたまらないくらい癒し系エンジェリックボイスだった!讃美歌を歌うような清らかさと、この先の自分に何が起こるのか不安な気持ちを隠せないでいる様子。今回の面々の中では一人だけ清らかすぎて若干場違い感もしたのだけど、あの声はぜひまた聴きたいなぁ。

一幕ラストのA New Argentina。大統領に立候補するペロンを鼓舞し、ペロンの応援演説のごとく国民を煽るエヴァは圧巻だった。YouTubeでこの曲を聴いたこと、そして「エマキングストンがすごい」というSNSの情報だけで観に行ってしまったようなものだけど、それだけの価値があった。低音もがっつり出してからの高音のパワフルな歌い上げは、あまりにも素晴らしくて「聴く麻薬」みたい。

二幕、大統領戦に勝利したペロンたちの演説。On The Balcony of Casa Rosadaではペロンを支持するペロンコールが入るのだけど、これがまた絶妙に不穏な不協和音だった。「ペロン…ペロン…」と3人が3人とも半音ずつずれて歌ってるような感じ。そして恐らく最も有名なDon't Cry for Me, Argentinaは、正解がわからないながらもエマキングストンエヴァは強すぎる感じがしていた。※歌はもちろんうまい。

そしてプロモーションでもラミンが歌ってたHigh Flying, Adored。歌ってるのは覚えてて、やっぱりうまいなーっていうのとやっぱりO行のこぶしきついなーっていうのは覚えてるけど、内容が全然頭に残ってない(Wikipediaにはエヴァのダンスの採点をする的なことが書いてあるけどよくわからない)。

ヨーロッパ外遊が失敗した後、エヴァ・ペロン基金をたちあげチャリティ活動を行ったAnd The Money Kept Rolling In。彼女はお金を政治以外の美容などの私用に使っていたようで、「たくさんチャリティでお金が出ていくから、細かい収支はわからないわ!」とやっていたらしい。そんな大雑把、意外とまかり通ってしまうものなのかしら?アルゼンチンだから?

どういうくだりだったか忘れてしまったしwikipedia見ても意味がわからなかったんだけど、子供達が歌うSanta Evitaは讃美歌のようで癒された。ウィーン少年合唱団ってこんな感じなのかな?A Waltz for Eva and Cheはエヴァとチェの歌なんだけど、詳細には覚えておらず。

ペロンの愛に気づくエヴァのYou Must Love Meは美しくかったけど、その愛への感謝というよりはとりつかれたように副大統領に立候補しようとするエヴァの心情が読み取れなかった(She is a Diamond, Dice are Rolling)。

結局、自身の病気により出馬断念(Eva's Final Broadcast)。亡くなるときの走馬灯のように、始めから今までの超圧縮ダイジェストのような歌と演出(Montage)。やはり「Evita Peron, Evita Peronista」の不協和音が不気味。チェが、エヴァのための記念碑がたてられることになったが、出来上がる前にエヴァの肉体はなくなってしまった後に台座だけが完成したと語り、幕。

そこかしこに不協和音や不穏な音をまぎれこませていて、なんだかホラー気味に感じてしまったくらい。正直、どんなに歌がうまい人がたくさん出てくれようが、あまり何度も観たいと思う作品ではないように感じた。

ただ、エマキングストンとイザベラジェーンの声を聴けたことに悔いはなし!ぜひまた聴く機会に恵まれたら嬉しいなと思う。声といえば、終演アナウンスのウグイス嬢がいい声だったみたいで、私なぜかメモしていた。笑

ハード、癒し系リラックス、スパイシー、どれもいい:Alice Lee

Heathers関連で。ヘザーたちの「キャラクターの中では」断トツで私は好きになれないのがHeather Duke。ちなみにキャラクターカラーは緑。そのデュークを演じてたのがAlice Lee。

でもキャラクターと彼女そのものとはまた別の話かもと思って動画を漁ってみたら、これまた素敵な声で歌ってるのに気づいたわけです。その振り幅がすごい、かつ、ミュージカルっぽすぎない歌唱がとっても素敵。日本の人とか時々いるけど、抑揚が深すぎるというか、声の揺らしにも限度あるよねって思うことあるので。


Shine A Light (Reprise) - Heathers: The Musical +LYRICS

まずはHeathersの中から一曲、Shine A Light(reprise)。これリプライズじゃないほうでは「不安で仕方ない気持ちを表に出そう!そしたら痛みはなくなるよ!さあ照らそう!」みたいな感じでいじめ撃退ソング的にフレミング先生と生徒たちが歌うやつ。ハッピーソング的位置付け。

それがリプライズでは、デュークがハードボイスでマクナマラに自殺を迫るというだいぶブラックな一曲に。shineとwhine、全然違う意味なのに韻踏んでるのもナイスだし、個人的にはdeserve to liveとsedativeの韻が超ハマりがいい。リプライズの出だしではまだロック味ある可愛い声にも聴こえるんだけど、there's no santa clauseあたりからのドスのきいたアリスのハードボイスがかっこいいわぁ。


RIPTIDE with Alice Lee

お次、アリスはYouTuberでもあるのかな?Alice Jってチャンネル持ってるみたいで、その中から一曲。ウクレレのリラックスした音にあわせて、自在に脱力して歌うのがいいよね。音と音の間をシームレスにやわらかくつなげてるのがとっても耳に心地よい。それでいて音階はピタッとあててきてるから、高音もストレスフリー。


Welcome to Alice's "Candy Store"

最後にもひとつ、HeathersのCandy Storeセルフカバー。前に書いたとおり、この曲はアイドルっぽさと少しセクシーさも出したダンスとの相乗効果が最高。でもこのカバーはしぶくてスパイシーで、また別の良さがあるなぁと思った。ラスサビにあたるところがwow wow~がいっぱいなアレンジなんで、そこもふつうに歌ってほしいくらい(笑)、もっともっと聴きたいカバーだわ。

Wikipediaによれば、彼女はコリアンアメリカンらしい。童顔で丸みのある顔が可愛らしいので、コリアン系とはちょっと意外。どっちかというと日本とかチャイニーズっぽい感じがする。

Heathers3人組の中では、今でもBeautifulやMamma Mia!の映画に出てるジェシカ、最近どうしてるかよくわからないけどBring It Onとかにも出てたエルたちよりは、アリスはミュージカル外がどちらかというとメインフィールドなのかな。

劇中の役ではデュークしか知らないからかもだけど、演じてるとこより歌ってるとこにより多くの魅力を感じるので、なんとなくそんな気がする。もちろん演技がイマイチって意味じゃなくて、歌が素敵って意味で!

ひたすらにCandy Store中毒:Heathers the Musical

Heathersというミュージカルをつい最近知った。その中でもとにかくCandy Storesがめちゃめちゃかっこいいので今回はひたすらそのことだけを書きます。

WEST END LIVE 2018の動画を一通り見ていてこの作品の存在を知った(この下のYouTube1曲目)。初見はそんなに…だったのに、今では出勤・退勤の個人的テーマソングに躍り出てる。ダークなロックとちょっとアイドルっぽい振付にすっかりぞっこん。


West End LIVE 2018: Heathers the Musical

いちおうHearhersについてあっさりざっくり調べたところ、学園もの映画の舞台化らしい。ヘザーという名前の3人の女の子が牛耳る学校で、主人公ヴェロニカの立ち回りとか転校生のジェイソンディーン=JDの驚きの行動とかで話が進んでいく。ちらほらっとWikiYouTubeで拾い読みならぬ拾い見してみた感じ、いじめとか自殺とか暴力とかヘビーなことがおもしろかっこいい(?)楽曲とともに進行していく、見た目はカラフルで内容はダークで音楽はロックな作品。

とにかく今回はHeathersの作中の1曲であるCandy Storeについてだけ書くのだけど、まず出だしのChandlerの韻を踏んだちょっと下品な台詞からのドラムブレイクがかっちょいい。"I'm felling NICE. Here's some ADVICE. Listen up, BIOTCH! (直後にドラムブレイク)"←大文字にしたところが韻。

そんで出だしのベースとバリトンサックス(っぽいものに聴こえる)の低音組がかっちょいい。曲中も基本的に低音組のぐいぐい下からつきあげてくる感じがたまらない。音がわかりやすいのはこの動画。


Candy Store Heathers The Musical +LYRICS

楽曲的にかっちょいいのに加えて、ヘザーたちのダンスがガチダンスすぎず適度にセクシーアイドル的な感じなのもまた素晴らしい。これについては最初にあげた最新のWEST END組もいいけど、オリジナル組が最強に可愛いしダンスも上手だし振り付けも可愛いと思う。

下のリハ動画をぜひ見てほしい。赤のChandlerをJessica Keenan Wynngがほどよくセクシーにビッチにつくっていてとても良いし、黄色のMcNamaraをElle McLemoreが演じててめちゃめちゃ能天気系キュートだし、緑のDukeのAlice Leeも気の強い勘違いクズな感じが良く出てる。


Heathers The Musical (Off-Broadway) rehearsal clips

※Candy Storeは01:48~。

オリジナルのオフブロードウェイ組のこの色気はなんなんだ…!2回目のサビのWelcome to my candy store~の右手真上に伸ばして左手を垂直にそえるところの振り付けがすごく好き。あとは全体的に足腰のリズムの取り方がセクシーで素敵。"mythtic bitch"として描かれているだけあって、オリジナルオフブロードウェイのChandlerのJessica Keenan Wynn、そしてWESTENDのChandelerのJodie Steele、この二人のChandlerがすごく魅力的。

ちなみにJessicaはブロードウェイBeautifulでシンシアやってるかと思ったら、間もなく公開のマンマミーア2で若い頃のターニャで出てるらしく、インスタ見てると楽しそうでこちらも気分がいい。Jodieはなんと!2016~2017年頃のWicked UKツアーでエルフィーだったみたい!ダンスセクシーだけどちょっとお顔・髪型がChandlerにしては強いなぁと思っていたのだけど、エルフィーグリーンはかなり似合ってただろうなぁ。見てみたかった。

Heathersには他にもBeautifulとかDead Girl WalkingとかBig FunとかLifeboatとかかいつまんで聴いて「良さげ」って思っている曲がたくさんあって、もっとちゃんと知りたいっていう欲がすごくむくむくしているところ。時間見つけて原作映画見て、YouTubeにあがってる高校生プロダクションとかの映像もちゃんとフルで見たら、どうにか翻訳・訳詞いけんじゃないかと。スクリプトも読みたいけど売ってるのかなぁ。翻訳・訳詞したらどこかの小さなプロダクションでいいから上演してくれない?笑

際限なく広がる可能性をひしひしと:海宝直人Birthday Live 2018 Home My Home in ICHIKAWA

書きながら思ったんだけど、タイトル長いなぁ。笑

東京公演は平日で行けないので、千葉の市川まで行ってきた。海宝さんの地元だそう。行き慣れないせいかけっこう遠いなぁと思った。あと会場がわりと住宅地にあって、そんな規模感のところでウエストエンド帰りの人がコンサートやるなんて不思議な感じ。

そんな海宝さん、ちょっとお疲れがにじみ出ていたような。私の中で音を外さないことに絶対の信頼があるんだけど、第1部の前半までは全体的にピッチが低くて、細かい上がり下がりでも音がピタッと当たらないことが何回か。MCでも度々噛んでいたり、歌詞が危うかったり間違えたり。ソロコンサート初めてだったからこれが通常運転なのかもだけど。

私が見てきた数回の海宝さんがパーフェクト過ぎたので、今回はそう見えなかった、という感じ。疲れなのか、ご本人仰るように時差ボケなのか、あるいはずっとひと月英語圏にいたから英語と日本語がミックスしちゃうのか。集中したくてもしきれてないんじゃないかな、と勝手に心配してた。

そういうことに気をとられていたせいか、涙が出るほど何か感じ入るような曲はなかったけど、インタビューに載ってたここしばらくの怒濤のスケジュールを見たら、なんだかどうでもいいような気がした。「歌がうまい」という根本的な部分に変わりはなかったから。どの曲も余裕を感じるほどの歌唱力だった!

ここからセトリ。英語歌唱曲は英語タイトル、日本語歌唱曲は日本語タイトルに。


【1部】
・ディズニーメドレー
When You Wish Upon A Star、美女と野獣、サークルオブライフ。もしかしたらもうひとつくらい何か歌ったかも。When Youは緊張してたのかちょっと音の輪郭がぼんやりしていたけど、美女と野獣の低音は落ち着きがあって大人っぽく。

・愛せぬならば
・自慢の息子
どちらもミュージカル系では定番の曲だと思うけど、個人的にそんなに馴染みがなく。でも愛せぬならばって、美女と野獣のテーマ(GFG♭AF♭BG~♪)が入ってるんだ!って気づいてちょっと感動した。あの旋律は威厳があって好き。そしてラストに向けて溢れ出すビーストの気持ちがこちらにもこぼれてくるような、そんな素敵な愛せぬならばだった。自慢の息子は、英語ver.が好きかな。

・カラーオブザウィンド
・Go The Distance
ポカホンタス、ムーランあたりが好きだと音楽センスいいなって思うという個人の感想。女性の曲のほうがやわらかく丁寧に歌われる感じがして素敵だなぁと。Go The Distanceは王道のディズニーヒーローソングって感じで、海宝さんの明るいヒーローボイスによく合ってた。最後の方はちょっとだけ音が上がりきらなかったかな?

・そばにいて
・Santa Fe
そばにいては、フレンズオブディズニーでも聴いたことがあった。あの時も素晴らしかったけど、今回は冒頭の心ここにあらずな声がさらに情感を増していて、そしてラストにたたみかけてくる裏声高音のコントロールもばっちりで、なおよかったなぁと。ただ間奏のバックバンドは危なげだったかな?そういう構成だったのかもだけど素人的にはちょっとハラハラ。Santa FeはNEWSIESの曲だそうで、細かく覚えてないけど、耳触りの良い歌詞だった気がする。

・陽ざしの中へ
・ How Does A Moment Last Forever
陽ざしの中へは拍手が一際大きく、一際長かった。これはどうしても思い出補正が強いので、個人的にはもう劇中と同じくらいの切実感でないと驚かなくなってきてしまった(感覚麻痺してる)。How Does~は大好きな曲!そして先日のセリーヌ来日では披露されなかった曲だから、思わぬコラボでめっちゃ嬉しかった。もうちょい感情的になるか、もしくはやさしくなるか、どっちかに寄ってくれたらもっと個性が出て素敵になりそうだなぁと。また聴けたら嬉しいな。


【2部】
・Heaven on Their Minds
・オンマイオウン
ジーザスの曲は知らなくて、急にエレキがテケテケ鳴らしたと思ったらキラッキラの海宝さんがロックに歌い初めて、ぶったまげるしかなかった。キラキラ衣装は板東玉三郎さんのコンサートのときのものらしい。オンマイオウンは、どこか歌詞が危なかったような。やっぱり頭の中で英語と日本語がミックスしてたのかも。

・ミュージックオブザナイト
・恋はすべてを変える
オペラ座ってストーリーが好きじゃないんだけど、曲はきれいだなぁと毎回思う。若いファントムでありながら、ちょっと大人な魅力も感じる素敵なミュージックオブザナイトだった。恋は~は、ミュージカルミーツシンフォニーで聴いたかな?ラストの高音が高音に聴こえないくらい、高さも長さも余裕の歌唱だったなぁ。

・Electricity
・Till I hear your sing
・Sister Act
ビリーエリオットは観たことないけど、electricityはYouTubeで見たことある。日本語歌詞ではまんま「でんき!」ってなってて驚いたけど、やはり英語ver.が耳触りよい。Till I~、Sister Actはスケール感のある選曲だなぁと。

【アンコール】
・Run away with me
長すぎて覚えられない作品のナンバーだと紹介。細かい意味までは拾えなかったけど、「ここまでついてきてくれて(応援してくれて)ありがとう」の気持ちがつたわる、等身大のお礼に聴こえた。嫌みなほどの謙遜や感謝ではなく、素直に自分がやりたいと思えることに取り組めていることやそれを応援してくれる人がいることのありがたさ、そういったものをナチュラルに心に持ち続けている人なのかなぁと思った。


冒頭いろいろ書いたけど、努力も才能も人柄も、そして時には運も、絶妙に備えてるように見える。ほんとにすごいことだし、こんなに歌のうまい人の存在を知ることができて、しかも何度か生で聴ける機会を得られて、ラッキーだなぁと思う。もっとも、「うまい」の対象は演技とか身のこなしとかもっとたくさんあるんだけど、私にとって最重要ファクタは歌なので、一旦「歌のうまい」という言葉を置いとくだけだけど。

ちなみに今回海宝さん観に行ったわけだけど、MVPはピアノの森さんだなー!編曲もよければ即興もOK、なによりあのピアノの音は至福だった。上品だけど芯のある音で、ずっと聴いていたかった。今度は森さんのピアノをがっつり聴く機会がほしいなぁ。