Impressive Sounds

素敵な歌声や音楽を求めて。

女性のしなやかさと涙を連想する声:Rachel Ann Go

海外の人でアジアの人の歌声に注目することって実はそんなにない。
なぜならアジア系の言語はどうも怒って聴こえたり、なめらかさに欠けて聴こえたりすることが多いから。
そんな中、レイチェルはフィリピン出身なので、流暢に英語で歌える。
彼女が歌っているのをYouTubeで見かけてすぐ、「いつか生で聴きたいリスト」に追加した(私の中で)。


"The Movie In My Mind" Music Video - Eva Noblezada and Rachelle Ann Go

私が特にたまらないなぁと思ってるのは、このThe Movie In My Mind。(先に歌ってるのがレイチェル。)
ミスサイゴン観たことないけど、これ聴いただけで壮絶な作品であることは容易に想像がつく。
すごく熱唱してるんだけど、ふと息を抜くと女性の弱々しさが顔を出して倒れこんでしまいそうな感じ。
顔に出して泣いてないけど、心は泣いている感じ。

彼女はウエストエンドでもブロードウェイでも活躍してるくらいワールドワイド。
同じくフィリピン出身でワールドワイドなエヴァノブルサダ(The Movie~で後から歌う子)もとても素敵な歌を歌うけど、私はレイチェル派かな。
ちなみにエヴァは可愛らしさと少し鋭角を感じるような声で、若干アタックに似たものを感じるあたりちょっとイディナ要素あるかなと思ってる。

レイチェルの持ち役で私の中で印象強いのがミスサイゴンのジジ、レミゼのファンティーヌなせいか、タイトルのような印象を持ってる。
強く生きようとしてるけど、悲しさと儚さをなかったことにはできないような、そういう女性の歌を歌うのがとてもうまいと思う。

ファンティーヌの動画もみたことあって、それもかなり熱唱系だった。
いなくなった彼、もしくは生きづらい人生への歯がゆさや憎しみが大きくて、抑えきれず盛大に吐露してる感じ。
でも熱唱の最後で、糸が切れたように声が勢いを失って、人生を諦めて他人事のように歌を置いて終わる。
束の間の1曲分、自分がファンティーヌになったような気持ちで歌に聴き入っていたから、このナンバーが終わったらドッと疲れて、虚しいような気持ちになったのだった。

リトルマーメイドのアリエルがデビューみたいで、もちろんとっても上手だけど、アリエルよりも大人びちゃってる感じがした。
アリエルって思ったより若く、世間知らずに歌われて欲しいんだなと、レイチェルの歌を聴いて思った。
コンサートでDefying Gravity歌ったこともあるらしく、こちらはかなりいい感じ。

エルファバでアジアツアーとかで来てくれないかな。
などと思っていたけど、レミゼ、ミスサイゴン、そして次はハミルトン。
しばらく日本には来そうもないかな。
でも彼女がますます世界的に活躍することは素晴らしいなって思う!